完璧な乳母  ダン・グリーンバーグ『ナニー』
4102283013ナニー (新潮文庫)
ダン グリーンバーグ 佐々田 雅子
新潮社 1989-02

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 フィルとジュリーの若夫婦は、生まれた赤ん坊の世話に四苦八苦した結果、ナニー(乳母)として女性をやとうことにします。イギリス出身のナニー、ルーシー・レッドマンは、赤ん坊の世話だけでなく、あらゆる家事に長けた有能な女性でしたが、傲慢で夫婦を見下すような態度をとります。
 やがてルーシーは、夫婦両方に対して性的な誘惑を始めます。危機感を抱いたフィルは、ルーシーの元の雇い主に話を聞こうと考えますが、彼らは皆、話をしてくれません。ようやく話をしてくれた元雇い主から漏れたのは、恐るべき事実でした…。

 ダン・グリーンバーグ『ナニー』(佐々田雅子訳 新潮文庫)は、恐るべきナニーを描くサスペンス・ホラーです。ナニーは、赤ん坊の世話や家事だけでなく、やがて夫婦それぞれの心理まで手玉に取るようになっていきます。
 このナニーのキャラクターが強烈で、最初は傲慢な態度で夫婦を支配するものの、やがて態度を変え、信頼を寄せられるという形で心理的に支配するようになっていきます。

 夫のフィルはナニーの性的誘惑に負けてしまい、彼女の前歴に疑わしい点がわかってからも、良心の呵責から彼女を一方的に追い出すことができなくなってしまうのです。また妻の方も、ナニーの手伝いなしには、生活が成り立たなくなるまでになってしまいます。 前半、夫婦が赤ん坊の世話をする苦労がみっちり描き込まれるだけに、夫婦がナニーに依存してしまう心理も納得しやすいものになっています。

 後半、ナニーの真実を知った夫婦は赤ん坊とともに逃走することになるのですが、そこからのナニーの攻勢はインパクト充分です。彼女は超自然的な力まで持っていることが明かされますが、その能力や由来を具体的に説明しないため、その得体の知れなさが、またホラーとしての魅力を増しています。
 前半は日常的なドメスティック・サスペンス、後半は超自然的なホラーと、一冊で二種類の物語が楽しめる、良質なエンタテインメント作品です。

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知られざる惨劇  ジョン・ソール『惨殺の女神』
4150404410惨殺の女神 (ハヤカワ文庫NV―モダンホラー・セレクション)
相沢 次子 ジョン・ソール
早川書房 1987-04

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 ボストンから引っ越してきた医者一家の養女ミシェルは、本当の娘と変わらぬ愛情を持って育てられていました。しかし、落下事故で片足をくじいてから彼女の運命は変わり始めます。
 片足が不自由になったミシェルは、学校の生徒たちとも上手くいかなくなり始めます。妹が生まれてから、両親からの愛情も失ったと思い込んだ彼女は、内にこもってしまいます。彼女の友人は、自分にだけ見えるという「アマンダ」だけだったのです。
 やがて、ミシェルをいじめていたクラスメイトが事故死します。直前まで、ミシェルと二人でいるところを目撃されたことから、ミシェルが殺したのではないかという噂が広まります。それ以降も、ミシェルと接触した子供たちが突然死を遂げるという事件が相次ぎますが…。

 ジョン・ソール『惨殺の女神』(相沢次子訳 ハヤカワ文庫NV)は、過去に恨みを持って死んだ少女の霊が、現代の少女に取り憑き惨劇を繰り返す…といった感じの作品です。 ミシェルが亡霊に憑かれていることは、序盤から明確にされているのですが、そのことは最後まで周囲の人間にはわかりません。超自然的な現象が多発しているにもかかわらず、それらは皆、少女の責任とされてしまうのです。

 とにかく、主人公の少女ミシェルがいじめ抜かれます。クラスメイトや学校の生徒だけではなく、感情的な行き違いから、父親からも放置されるようになってしまいます。
 かって子供を治療できず死なせてしまったミシェルの父親は、自分の娘を含め、子供に対して恐怖を抱いてしまうのです。やがて、かっては可愛がっていた自分の娘との距離もおかしくなってしまいます。

 殺害されるのも子供、そして容疑者扱いされ虐待されるのも子供という、非常に後味の悪い作品なのですが、なぜか最後まで読ませられてしまうのは、ソールの筆力ゆえでしょうか。
 怪異現象やそれに翻弄される子供に対し、救いの手もなく、またそれらに対する解決もありません。そもそも怪異現象があるという事実さえ、登場人物たちには認識されないのです。
 認識しているのは読者だけなのですが、この作品形式、何かに似ています。読者には初めから手の内を明かしておいて、何も知らない登場人物がどうなるのかやきもきさせる…。考えてみたら、シャーロット・アームストロングのサスペンスに似ている気がするのです。その意味で、読者を焦らせる…という手法をホラーで実践しているのが、ジョン・ソールということになるのでしょうか。

※この作品は、ブログ「閑中忙有」をやっておられる、るねさんのご厚意でお譲りいただきました。面白い作品を読む機会をいただき、ありがとうございました。

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孤独な夜  チャールズ・L・グラント『ペットの夜』
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ペットの夜 (ハヤカワ文庫NV―モダンホラー・セレクション)
チャールズ・L. グラント 竹生 淑子
早川書房 1989-02

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 獣医になることを夢見ている、孤独な高校生ダンは、自分の部屋に飾られた剥製の動物やポスターなどに話しかけることを日課にしていました。
 教師である両親からは獣医の夢を否定され、学校では父親と対立する教師からにらまれたり、いじめっ子からは目を付けられるなど、ダンは悶々とした日々を送っていました。
 時を同じくして、町には連続殺人が起こり、ダンの知り合いの女子生徒が殺されます。両親との確執から家を飛び出したダンは、折悪しく連続殺人鬼に襲われてしまいますが…

 チャールズ・L・グラント『ペットの夜』(竹生淑子訳 ハヤカワ文庫NV)は、周りに虐げられている内気な青年が、ある出来事をきっかけに超常的な力を発揮する…という物語です。
 ただこの作品の場合、超常現象は、青年自身ではなく、青年の部屋のポスターに描かれた馬が実体化するという形をとります。
 馬は、主人公ダンが憎しみを向ける人物のもとに現れ、次々と殺害していきます。ダン自身がコントロールすることはできず、いつの間にか人々の元に現れるのです。やがてダンがふと不満を抱いた、ダン自身の母親やガールフレンドにまで、その魔の手は迫り、ダンは馬を止めようと奔走することになります。

 ホラー小説の主人公である「孤独で内気ないじめられっ子」というのは、ある種のステレオタイプではあるのですが、この作品では、その鬱屈した日常がこれでもかと描かれます。
 校長である父親は、息子よりも保身を優先する人物、母親は息子の担当教師と不倫をしていたり、いじめっ子たちは様々ないたずらをしてはダンのせいにします。ようやくできたガールフレンドも、別の男友達との間を揺れ動いていたりするのです。
 その鬱屈が溜まりきったときに、怪物が現れるわけですが、それまでの主人公の境遇が非常に救われないものなので、読んでいて、ある種のカタルシスがあります。しかし、作者は単純なカタルシスを否定し、事件を終息させてしまうのです。このあたり、読んでいて非常に不満がたまる展開ではあるのですが、ホラー小説としてはこれが正道なのでしょう。

 ポスターから抜け出る馬、というのは、伝統的な怪奇小説のテーマである「絵画怪談」の現代的なバリエーションといっていいでしょうか。媒体が「ポスター」というのが、いかにも安っぽく思われてしまうのですが、作者の丹念な描写の積み重ねもあって、作品の雰囲気は損なわれていません。さすが、雰囲気派の巨匠といったところでしょうか。
 リーダビリティも高く、思春期の青年を描いた青春ホラー小説として、上質な作品といっていいかと思います。

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燃える世界  ステファン・グラビンスキ『火の書』
4336061750火の書
ステファン・グラビンスキ 芝田文乃
国書刊行会 2017-08-29

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 『火の書』(芝田文乃訳 国書刊行会)は、ポーランドの怪奇幻想作家ステファン・グラビンスキの3冊目の邦訳作品集。〈火〉にまつわるテーマを扱った作品が集められています。邦訳作品集3冊の中では、いちばんエンタテインメント性が強く読みやすいので、初めてグラビンスキを読む人にお勧めしたい作品集になっています。
 以下、各作品について紹介していきましょう。

「赤いマグダ」
 消防士のシュポナルは、ジプシーだった亡き妻との間の娘マグダについて悩んでいました。娘が行くところ、必ずといっていいほど火事が起こるのです。遠くへ預けていた娘が帰ってきたことから、再び騒動が起きますが…。
 火事を呼び寄せてしまう娘を扱った作品。火事は娘自身が起こしているのか、それとも…? その父親が消防士というところに皮肉が効いています。

「白いメガネザル」
 煙突掃除を生業とする親方は、徒弟があるビール工場に行ったまま帰ってこないことに気付きます。再度、別の徒弟を派遣するものの、彼もまた消息不明になってしまいます…。
 煙突に潜む怪物を描いた作品です。怪物が「メガネザル」のようだというところに違和感がありますが、これはこれでインパクトがありますね。

「四大精霊の復讐」
 消防本部長チャルノツキは、火に対する耐性が非常に強く〈耐火人〉と渾名されるほどでした。やがて彼は火の精霊からのメッセージを受け取ることになりますが…。
 火の精霊と戦うことになる消防士の物語。精霊側もさることながら、主人公の能力が人間離れしているところが面白いですね。

「火事場」
 何度家を建ててもすぐに火事になってしまうという呪われた土地。迷信に過ぎないと断じる男は、そこに家を建てて家族と共に移り住みます。最初は用心を重ねていた男は、やがて火をもてあそび挑戦的な態度を取るようになりますが…。
 冷静で現実主義的だった男が、火に関するオブセッションに囚われていくという作品。火遊びがエスカレートしていくところが読みどころです。

「花火師」
 王女との恋に破れた花火師は、世を拗ねてしまいますが、やがて運命の恋人と出会い変わっていくことになります…。
 グラビンスキには珍しいファンタジー作品。

「ゲブルたち」
 その精神病院では、院長の方針により患者の妄想を否定しないという方策をとっていました。行き着くところまでいけば偏執狂は良くなるというのです。ある心理学者が遺した論文を元に、病院内では拝火教のようなカルト宗教が発生していきますが…。
 狂気に囚われた心理学者が遺した論文により、カルトが発生するという物語。ポオの「タール博士とフェザー教授の療法」を思わせる作品です。

「煉獄の魂の博物館」
 その博物館では、煉獄の魂が残した焦げ跡を収集していました。やがて霊媒の女性を使った心霊実験が行われることになりますが…。
 実験の結果起こった心霊現象とは…。神秘主義的色彩の濃い作品です。

「炎の結婚式」
 その青年は火事の際にのみ性的興奮を覚える性質を持っていました。美しい未亡人と恋仲になるものの、日常生活では彼女を愛することができません。未亡人は彼に性的興奮を起こさせるために、自ら火事を起こしますが…。
 火を見ないと性的感興を憶えない青年の不幸な恋の物語。終始悲劇的なトーンの支配する作品です。

「有毒ガス」
 雪山で仲間とはぐれた若い技師は、ようやく旅籠のような建物を見つけ、そこに一夜の宿をとることになります。家のなかには、主と思しき老人と、肉感的な娘がいました。しかし、二人は互いに家の中には自分ひとりしかいないと言うのです…。
 怪しい雰囲気の老人と娘、彼らは人間なのかそれとも…? 怪奇色の濃厚な奇譚ともいうべき作品です。

 『火の書』には、小説作品のほか、グラビンスキのエッセイとインタビューが収録されています。エッセイ「私の仕事場から」は、短篇「機関士グロット」に関する創作秘話、「告白」は、自作について語った自伝的エッセイになっています。
 また「告白」では、自作の解説とともに、自らがポーランドにおいて幻想文学ジャンルをひとりで切り拓いたという自負も見えます。

 九年間、だれひとり注意を向けてくれなかったのです-私がこれまでポーランドになかった新しい文学ジャンルを創造していることに。私が厳密な意味での幻想小説、自立的かつ自律的な非ロマン主義的幻想小説のパイオニアであることに。ポーについてわれわれの国では下手で貧弱な翻訳を通して十のうち五しか知られていなかったとき、私自身まだマイリンクやスティーヴンソンの存在を耳にしたこともなかったとき-みずからの人生のヴィジョンを具現化できるかもしれないという憧れに押されて、私はみずからの手にシーシュポスの苦行〔果てしない徒労〕を引き受けました。

 当時、怪奇幻想ジャンルを独力で切り開いた、グラビンスキの作家としての自負心が見えるようです。

 エッセイやインタビューには、長篇作品についての情報も盛り込まれており、長篇も読んでみたくなります。邦訳を期待したいところですね。
 以前の邦訳作品集2冊もそうでしたが、今回の『火の書』の造本・装丁も素晴らしく、本そのものとしての魅力があることも付け加えておきましょう。

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大いなる神々  ニコラス・コンデ『サンテリア』
4488556019サンテリア (創元推理文庫)
ニコラス コンデ Nicholas Conde
東京創元社 1993-02

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 妻を事故で失い、幼い一人息子とともにニューヨークに引っ越してきた人類学者のキャル。折しも町では、幼児の連続殺人が続いていました。担当の刑事は、連続殺人がヴードゥ=サンテリアの儀式の生け贄ではないかと考え、キャルに協力を求めます。
 ヴードゥを信じる恋人の手引きもあり、キャルはやがてヴードゥの効力を信じるようになっていきます。やがて幼児連続殺人の真相に行き当たったキャルは戦慄することになりますが…。

 ニコラス・コンデ『サンテリア』(大瀧啓裕訳 創元推理文庫)は、ヴードゥを扱ったオカルト・ホラー小説です。
 かなり分厚い本ですが、後半になるまで派手な事件は起きません。それまでは何が描かれるかというと、主人公の周囲の日常生活がリアリスティックに描かれるのです。ただ単なる日常ではなく、そこにはヴードゥの影がじわじわと忍び込んできます。
 主人公キャルは、人類学者とはいえ、かなりの現実主義者として描かれます。最初はヴードゥを迷信とみなしますが、ヴードゥの効力を目の当たりにし、その信仰に取り込まれていく過程がじわじわと描かれるのです。
 ヴードゥとはいっても、この作品で描かれるそれは、日常生活と同化した文化のような宗教で、それを信仰する人たちにとっては、もはや生活の一部のようなものなのです。ただ、それだけに何の疑問も持たずその信仰に従う人々を見て、キャルは驚きます。
 もともとヴードゥ信仰を持っていたヒスパニック系の人々だけでなく、ニューヨークの上流階級の人々が公然とヴードゥに関する集会を行う場面は、かなり不気味です。
 恋人がヴードゥの神々を信じていることにショックを受けるキャルですが、半信半疑で行った儀式の効果が現れたことから、だんだんとヴードゥは真実ではないかと考え始めます。やがて、自らの息子が生け贄になる運命だと悟ったキャルは、息子を助けるために奔走することになるのですが…。

 後半までは、作中で登場するヴードゥの魔術やその効果は、超自然的なものではないという解釈も成り立つように描かれています。その意味では、カルト教団をめぐるスリラーとも読めるのですが、結末付近になると、魔術や神々の存在はほぼ疑い得ないようになっており、壮大な規模の「破滅もの」として読むことも可能になっています。
 荒唐無稽になりがちな同種の作品の中にあって、非常に強いリアリティを持った、ホラー小説の傑作の一つといっていい作品です。

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現実と幻想のあいだ  A・メリット『魔女を焼き殺せ!』
4883752747魔女を焼き殺せ! (ナイトランド叢書2-6)
A・メリット 森沢 くみ子
書苑新社 2017-08-09

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 ある日、ローウェル医師のもとに男が運び込まれてきます。その男ピーターズは目を開いたまま微動だにしません。しかし、その目の中には恐怖の色が現れていました。診察を行っても、原因も症状もはっきりしないまま、ピーターズは死んでしまいます。
 調査の結果、同じような症状で死んだ人間が何人もいることがわかります。年齢や性別も様々な患者たちに共通するのは、ある人形に関わっていたという事実でした。
 ピーターズの友人である裏社会の大物リコリは、これらの病の原因は、精緻な人形を作ることで知られる女性、マダム・マンディリップの魔術のせいだと話します。
 やがてリコリも、謎の症状に襲われて動けなくなってしまいます。ローウェルは、マンディリップは催眠術や心理的な効果を利用して人々を操っているのではないかと考えますが…。

 A・メリット『魔女を焼き殺せ!』(森沢くみ子訳 アトリエサード)は、ヒロイック・ファンタジーで知られる著者の、魔術を扱った怪奇スリラー作品です。
 主人公のローウェル医師は、裏社会の人間ながら、意気投合したリコリとその部下たちと協力して、不審な連続死の原因を探ろうとします。怪しい人物は初めからわかっているのですが、二人の間でその解釈については意見が分かれてしまいます。
 敵が魔術を使っていると主張するリコリに対し、ローウェル医師はあくまで科学の領域で解釈をしようとするのです。
 身近な人間が何人も突然死に見舞われたことに対し、ようやくローウェルも、敵の魔術的な力を認め始めます。しかし、だからといって、素直に魔術を信じるわけでないのです。魔術は仮に存在すると仮定して、その魔術なりの論理があるのではないかと考えていくのが面白いところ。
 敵方の支配力が強力で、離れたところから人を操るだけでなく、正面から向かい合っても意志をくじかれてしまうなど、なかなか打つ手がありません。しかも合法的に敵を捕えるための証拠もないのです。
 リコリたちは、裏社会ならではの手段を使って敵を追い詰めようと考えますが…。

 1933年発表の古典的な作品ですが、終始サスペンスがとぎれず、今読んでも面白い怪奇スリラーです。
 発表年代を考えても、怪異現象に対して懐疑的な主人公を配したりと、非常にモダンなホラー小説といえます。主人公は、最後まで現実的な解釈を提示するのですが、すでにその時点では自分で言っていることを信じることはできていないのです。結末のセリフは、そのことを表わす意味深長なものになっており、深い余韻をたたえています。

 ちなみに、この作品、トッド・ブラウニング監督により映画化されています。(『悪魔の人形』(1936))。アイディアだけを使用した、全く別の作品といっていいのですが、こちらはこちらで面白い作品です。1930年代ながら、特撮もなかなか凝っています。
以前に書いたレビューはこちら。
ホラーの黎明  『アメリカンホラーフィルム ベスト・コレクション』

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ジェームズ・ハーバートの恐怖小説
 イギリスの作家、ジェームズ・ハーバート(1943-2013)は、1970年代からホラー作品を中心に発表していた作家です。生前は非常に人気があり、一時期は、イギリスにおいてスティーヴン・キングより人気のあるホラー作家と言われていた人です。
 ハーバート作品の特徴は、とにかくエンターテインメントに徹していること。 読者を楽しませるために、見せ場をやたらと作ります。ただ、その見せ場は大抵、残酷シーンだったり、怪物に襲われたりと、B級まっしぐらな部分なので、人によっては眉をしかめるかもしれません。しかしホラーファンにとっては、読みたい部分を徹底的に描いてくれるという意味で、得難い作家でもあるのです。
 以下、いくつかのハーバート作品について見ていきたいと思います。



B00GZL20KGSF長編小説 鼠(ねずみ)
ジェームズ・ハーバート
サンケイ出版 1975-10-03

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ジェームズ・ハーバート『鼠』(関口幸男訳 サンケイノベルス)

 ある日、ロンドンに現れた巨大化した鼠の群れ。彼らは人間を襲い始め、食料としてしまいます。助かった者たちも、鼠が持つ未知の病原菌のため、24時間以内に死亡してしまうのです。最初は密かに活動を続けていた鼠たちは、とうとう正面から人間を襲い始めますが…。

 ジェームズ・ハーバートのデビュー作品です。
 巨大鼠が人間を襲ってくるという、非常にシンプルな話なのですが、読んでいて飽きさせません。構成に工夫がされていることと、アクション場面が非常に視覚的で、読みやすいのもその一因でしょうか。
 序盤は、巨大鼠が人知れず現れ、人を襲うようになる過程がエピソード単位で描かれます。それらのエピソードでは、ゲイのサラリーマンだったり、落ちぶれた娼婦だったりと、それぞれの登場人物の人生がスケッチ風にさらりと描かれます。これがなかなか味わいがあるのですが、結局は鼠に襲われて殺されてしまう…というところが、実に悪趣味ですね。
 中盤からは、主に学校教師の男性に視点が集中し、彼を中心に人間と鼠の戦いが描かれます。特に、学校での籠城戦や、地下鉄での襲撃などは、読み応えたっぷりです。
 人体の損壊描写がねちっこく描写されたり、赤ん坊が殺されてしまったりと、非常に悪趣味かつ強烈な描写が続くので、この手の作品が合わない人には合わないかと思います。 ただ、非常にスピーディかつ見せ場が多く、B級に徹したアクションホラー作品なので、娯楽作品としては、非常に面白い作品です。



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ダーク〈上〉 (ハヤカワ文庫NV―モダンホラー・セレクション)
ジェームズ ハーバート 関口 幸男
早川書房 1988-12

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ジェームズ・ハーバート『ダーク』(関口幸男訳 ハヤカワ文庫NV)

 心霊研究家のビショップは、調査に訪れた家で、集団自殺した人々の死体を発見し、そのまま記憶を失うという経験をしていました。その家では、カルト教団の教祖が、邪悪な目的のため、人々を集団自殺に追い込んでいたのです。
 それから一年、問題の家のある周辺で、人々が突然狂気にかられ、家族や隣人を殺す事件が頻発し始めます。
 問題の屋敷が取り壊された直後から、その影響は広がり始め、人々が狂い始めてしまいます。心霊研究の大家とその娘ジェシカと協力するビショップでしたが、教団の生き残りの信者たちが現れ、彼らの命を狙い始めます…。

 死んだはずのカルト教団の教祖が残した闇の力により、人々が狂い始めるという物語です。
 主人公は、心霊研究家でありながら、現実的なアプローチを行う人物で、心霊現象を全面肯定はしないのですが、たびたび起こる現象に対し、信じざるを得なくなっていきます。精神を病んだ妻のことを気遣いながらも、ジェシカに惹かれていくビショップでしたが…。
 最初から最後まで、主人公たちを襲う困難がすさまじく、肉体的・霊的な暴力が彼らを襲い続けます。特別に鍛錬を積んだわけでもない主人公が、何度もピンチを切り抜けるのはご愛敬としても、たびたびはさまれるアクションシーンは手に汗握ります。
 敵方の信者の幹部が、女性ながら人間離れしていて、キャラが立っていますね。ハーバートのアクションホラーの総決算とでもいうべき娯楽作品です。



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奇跡の聖堂〈上〉 (ハヤカワ文庫NV―モダンホラー・セレクション)
ジェームズ ハーバート 相沢 久子
早川書房 1989-05

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ジェームズ・ハーバート『奇跡の聖堂』(相沢次子訳 ハヤカワ文庫NV)

 聾唖の少女アリスは、ある日突然話すことができるようになりますが、彼女が言うには、話せるようになったのは聖母マリアのおかげだというのです。たまたま現場に居合わせた新聞記者ハモンドが、それを奇跡だとして報道した結果、小さな村に奇跡を求める人々が集まるようになります。
 やがてアリスは、人々の前で、不治の病の病人を何人も癒します。聖堂が建てられ、そこは奇跡の聖堂として人々に崇められるようになるのです。
 しかし、ハモンドはアリスの力は本当に聖なるものなのか疑問を抱き、周辺の調査を開始します。そこでわかったのは、過去にその土地で魔女が処刑されたという事実でした…。

 奇跡の能力を発揮した少女に対し、主人公は、彼女の能力が本物なのかどうかを調査することになります。しかし、少女の周辺で、人々が怪死したり、家畜が突然死したりする事件が相次いでいるのです。
 疑いを深めていく主人公に対して、主人公の恋人は奇跡を信じており、それが元で二人の仲はこじれてしまいます。中盤から登場する女性記者を交えた三角関係が進行するなか、奇跡の聖堂には、大勢の人々が集まるようになり…。
 少女の能力は奇跡なのか否か?という、ハーバートにしては、おだやかなストーリー展開だと思っていると、中盤に劇的な事件が発生します。それを境に不穏な空気が漂い始め、クライマックスでは大惨劇が発生するのです。
 序盤は多少もたつくものの、奇跡の真相が徐々に判明する中盤からのリーダビリティは非常に高いです。クライマックスは、ハーバートお得意のスペクタクルに富んだ惨事が展開され、満足度は非常に高い作品です。



4150404941聖槍 (ハヤカワ文庫NV―モダンホラー・セレクション)
ジェームズ・ハーバート 関口 幸男
早川書房 1988-05

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ジェームズ・ハーバート『聖槍』(関口幸男訳 ハヤカワ文庫NV)

 恋人を失い、殺戮に飽き果てたイスラエルの元諜報員ステッドマンは、現在はイギリスで私立探偵を生業としていました。彼のもとに現れたイスラエルの諜報員は、武器商人の大立者ギャントの身辺を探ってほしいと依頼します。
 一度は依頼を断るステッドマンでしたが、直後に、彼の共同経営者の女性が殺されているのが見つかったことから、調査を引き受けることになります。ステッドマンは、武器商人を装い、ギャントの身辺を探り始めますが、そこで判明したのは、彼らがナチス再興をたくらんでいるということでした。そのために、キリストの時代から伝わる聖槍を利用しようとしていたのです…。

 戦いに疲れ、引退した元諜報員がパートナーを殺され、怒りに燃えて立ち上がる…といった感じで始まる謀略スリラーです。敵方がナチスを再興しようとするオカルト団体であることを除けば、ほぼ超自然的要素のないスパイ・スリラーなので、ホラーを期待していると、肩すかしを食わされてしまいます。
 さらわれて拷問を受けたり、ヒロインを助けにいったりと、アクション上の見せ場はところどころにあるのですが、肝心の超自然的要素は、最後の最後まで出てきません。
 ホラーとしての雰囲気醸成や伏線張りをそっちのけで、アクション要素が強調されていくので、最後に出てくる超自然的要素も、どこか唐突の感があります。スパイ・スリラー部分も意外と行儀がよいので、ゲテモノとして読むのも難しい…という、評価に困る作品ですね。
 唯一、面白いと思ったのは、敵方として登場する謎の美女の存在ぐらいでしょうか。



4150404550魔界の家〈上〉 (ハヤカワ文庫NV―モダンホラー・セレクション)
ジェームズ・ハーバート 関口 幸男
早川書房 1987-07

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ジェームズ・ハーバート『魔界の家』(関口幸男訳 ハヤカワ文庫NV)
 互いにアーティストを生業とするミッジとマイクのカップルは、ある日ふと見たコテージの広告に惹かれ、家を見に行くことになります。なぜかコテージを買うことに執着するミッジに押され、二人はその家を買い、そこで暮らすことになります。
 コテージに引っ越してからの二人の生活は順風満帆でしたが、やがて近くに集団で暮らしているという宗教団体のメンバーが二人を訪れるようになります。
 教団の教祖は、霊的な力で、すでに亡くなった両親に合わせることができると話し、ミッジはそれを信じるようになります。現実主義者のマイクは、ミッジに考えを変えさせようとしますが、なかなか果たせません。時を同じくして、コテージの雰囲気が悪くなっていきます。遊びに来た友人は、家の中で幽霊を見たと話しますが…。

 「魔界の家」という大仰なタイトルといい、カバー絵といい、いかにも「幽霊屋敷」や「悪魔の館」みたいなホラーを期待させるのですが、案に相違して、魔術をテーマにしたファンタジー的な作品です。
 主人公のカップルが購入した家は、前の持ち主の女性が死んだために、売りに出されるのですが、彼女には癒しの能力があったことが仄めかされます。ミッジにも、ある程度の超能力があることが暗示され、それがゆえに宗教団体のメンバーも彼女を狙うようになるのです。
 かって両親を死なせてしまったという負い目を持つミッジは、罪の意識から、教団の教義に洗脳されていってしまいます。徹底して現実主義者のマイクは、教祖の力はまやかしだと説明しますが、どうやら教祖の力は本物のようで、マイクは打つ手がなくなっていきます…。
 舞台となるコテージは、そこに住む人間の能力を反映するらしく、善にも悪にも傾くようなのです。主人公のカップルの生活が暗礁に乗り上げたとたん、霊的な現象が発生し始め、やがて前の持ち主の霊らしきものも出現し始めます。やがて教団の家に行ってしまうミッジ。マイクはミッジを救い出すことができるのでしょうか?
 クライマックスでは、味方側と敵側の魔法・幻術合戦が繰り広げられるという楽しい趣向もあります。ハーバート作品としては、非常に陽性なベクトルの作品だといえますね。


4054007163月下の恋
ジェームズ ハーバート James Herbert
学習研究社 1996-11

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ジェームズ・ハーバート『月下の恋』(宇佐和通訳 学習研究社)

 自らも霊能力を持ちながら、霊現象を否定するゴーストハンターのアッシュは、マリエル一族の館の霊現象を調査することになります。
 アッシュは、マリエル家の美しい令嬢クリスティーナに魅了されながらも、館の霊現象自体は認めようとしません。やがて錯覚や幻覚では済まされないほどの怪奇現象に襲われますが…。

 非常に雰囲気のあるゴースト・ストーリーです。どぎつい作品の多いハーバートとしては、異色の作品ですね。
 ゴースト・ハンターでありながら、主人公が怪奇現象を認めようとしないため、屋敷内で起きる怪奇現象に対しても、合理的に解明できるというスタンスで物語は進みます。
 主人公が体験する怪奇現象も、幻覚や錯覚で片付けられ、また、明確な怪奇現象自体もなかなか起こりません。
 主人公の探偵事務所の同僚である、霊能力者の女性が登場するのですが、この女性が、たびたび主人公の危機に対して感応を起こします。大したことはないと鼻をくくる主人公に対し、この女性のパートで危機を煽る、という形ですね。
 やがて主人公が怪奇現象を否定する理由も明らかになると同時に、霊的な危機が主人公を襲います。
 基本的に最後まで、怪奇現象に対して、主人公側は何もできず、なすがままといった感じなので、ちゃんとした解決を求めるタイプの読者には不満が残るかもしれません。怪異の一方的な勝利という意味では、モダンホラーというよりは、伝統的なゴースト・ストーリーに味わいが近いですね。
 続編があるそうなのですが、そちらは未訳。本作が、ゴーストハンターの主人公の紹介編といった趣なので、ぜひ続編も読んでみたいものです。
 ちなみに、コッポラ監督の映画化作品もあり、そちらも味わいは異なるものの、ロマンティックな雰囲気の作品に仕上がっていました。


 上に挙げた作品以外にも、ハーバートには魅力的な作品がいくつもあります。
 霧によって狂乱した人々を描くパニックホラーの極致『霧』(関口幸男訳 サンケイノベルス)、大事故から奇跡的な生還をとげた男の謎を描く、サスペンス風味の超常スリラー『ザ・サバイバル』(関口幸男訳 サンケイノベルス)、仔犬に転生してしまった男を描くファンタジー『仔犬になった男』(関口幸男訳 サンケイノベルス)、超能力を絡めたサイコ・スリラー『ムーン』(竹生淑子 ハヤカワ文庫NV)など。
 ハーバート作品は残虐描写も多いので復刊は難しいと思いますが、例えば『ザ・サバイバル』『仔犬になった男』などは、味わい深い佳作であり、ホラー要素も少ないので、ぜひ復刊してほしいところです。参考に過去のレビューをリンクしておきます。

死ねない理由  ジェームズ・ハーバート『ザ・サバイバル』
犬も捨てたもんじゃない  ジェイムズ・ハーバート『仔犬になった男』


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忌まわしき祭礼  トマス・トライオン『悪魔の収穫祭』
悪魔の収穫祭〈上〉 (角川文庫)悪魔の収穫祭〈下〉 (角川文庫)
 広告会社の重役ネッドは仕事に疲れ、たまたま見つけた田舎の村コーンウォール・クームに、妻と娘とともに移住することになります。牧歌的と見えた村の生活ですが、やがてそこに住む人々は因習に囚われており、文明の利器に対しても否定的だということがわかってきます。
 村には、村人たちの主な生業である、とうもろこしに関する収穫祭があり、その祭りでは「とうもろこし王」と「とうもろこし姫」が決められます。「とうもろこし王」に選ばれれば、いろいろな恩恵を受けられるというのです。しかし前回の「とうもろこし王」は事故で死んでおり、その婚約者も自殺しているといいます。不審に思ったネッドは、情報を得ようと、村人たちから話を聞こうとしますが、なぜか人々ははっきりとした話をしてくれません…。

 トマス・トライオン『悪魔の収穫祭』(広瀬順弘訳 角川ホラー文庫)は、閉鎖的な村を舞台にじわじわと恐怖を盛り上げてゆく、モダンホラー作品です。
 作品の前半は、主人公ネッドたちが暮らす村の生活と人々との交流が描かれます。劇的な事件は起こらないものの、村全体が非常に保守的で閉鎖的だということが詳細に描写されていくのです。医者や警察といった公権力はまともに働いておらず、人々は昔から変わらない農業に従事しています。農業にトラクターを導入することさえ反対するという保守的な村人たち。
 医者のいないこの村では、ウィドー・フォーチュンと呼ばれる年配の女性が、医療や祭事をとりしきっています。ウィドー・フォーチュンが、喘息で死にかけた主人公の娘の命を助けたことから、妻と娘は村に溶け込んでいきます。
 隣人の女性との浮気めいた話をきっかけに、夫婦の信頼感も崩れていくなか、ネッドは村やその祭事に不信感を持ち、過去の事件の聞き込みを始めます。前回の「とうもろこし王」はどのように死んだのか? 「とうもろこし姫」はなぜ自殺に追い込まれたのか?
 やがて村に伝わる祭事のいまわしい秘密が明らかになっていくのです。

 1973年の作品なのですが、正直、村の秘密や祭事の真相は、現代の読者からすると、それほど強烈なものではありません。ただ、表面上、木訥で親切に見えた村人たちの本心がわかる後半の不気味さは比類がありません。村人たちの間の反目や対立などが、実際は目に見えていた通りではなく、まるで違っていたことがわかるのです。
 序盤から散りばめられた細かな伏線が、結末に至って結びつくという、練られた構成であり、完成度の非常に高い恐怖小説です。

 ちなみに、作者のトマス・トライオン(1926-1991)は元俳優で、何冊かの著作を残しました。邦訳されている中でホラーに属する作品は、この『悪魔の収穫祭』の他にもう一冊『悪を呼ぶ少年』(深町眞理子訳 角川文庫)があります。こちらもかなりの傑作です。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

ラヴクラフト『文学と超自然的恐怖』邦訳リスト
4480430113幻想文学入門―世界幻想文学大全 (ちくま文庫)
東 雅夫
筑摩書房 2012-11-01

by G-Tools

 H・P・ラヴクラフトについての読書会用に作成した資料なのですが、せっかく作ったので公開したいと思います。
 H・P・ラヴクラフト『文学と超自然的恐怖』は、ラヴクラフトが実際に読んだ怪奇幻想小説を紹介してゆくという、ブックガイド的なエッセイです。その中から、邦訳があるもののみをリストアップして、邦訳文献を併記しました。

※テキストは、植松靖夫訳(東雅夫編『世界幻想文学大全 幻想文学入門』ちくま文庫収録)を使用しました。
※邦訳があるもののみのリストです。
※書名は、『文学と超自然的恐怖』の表記ではなく、邦訳されているタイトルを使用しています。


ダニエル・デフォー(1660-1731)
『ミセス・ヴィールの幽霊』(平井呈一訳 平井呈一編『恐怖の愉しみ』創元推理文庫収録)

ホーレス・ウォルポール(1717-1797)
『オトラント城奇譚』(平井呈一訳 荒俣宏/ 紀田順一郎編『怪奇幻想の文学3 戦慄の創造』新人物往来社収録)

クレアラ・リーヴ(1729-1807)
『イギリスの老男爵』(井出弘之訳 国書刊行会)

ヨーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749-1832)
『コリントの許婚』(竹山道雄訳 須永朝彦編『書物の王国12 吸血鬼』国書刊行会収録)

ウイリアム・ゴドウィン(1756-1836)
『ケイレブ・ウイリアムズ』(岡照雄訳 白水U ブックス)

ウイリアム・ベックフォード(1760-1844)
『ヴァテック』(私市保彦訳 国書刊行会)

アン・ラドクリフ(1764-1823)
『イタリアの惨劇』(野畑多恵子訳 国書刊行会)

サー・ウォルター・スコット(1771-1832)
『老吟遊詩人ウィリーの物語』(鈴木英夫訳 小池滋/ 富山太佳夫編『悪魔の骰子』国書刊行会収録)

チャールズ・ブロックデン・ブラウン(1771-1810)
『ウィーランド』(志村正雄訳 国書刊行会)
『エドガー・ハントリー』(八木敏雄訳 国書刊行会)

マシュー・グレゴリー・ルイス(1775-1818)
『マンク』(井上一夫訳 国書刊行会)
『古城の亡霊』(上坪正徳訳『ゴシック演劇集』国書刊行会収録)

ジェーン・オースティン(1775-1817)
『ノーサンガー・アビー』(中野康司訳 ちくま文庫)

フリードリヒ・ド・ラ・モット・フーケ(1777-1843)
『水の精(ウンディーネ)』(識名章喜訳 光文社古典新訳文庫)

チャールズ・ロバート・マチューリン(1782-1824)
『放浪者メルモス』(富山太佳夫訳 国書刊行会)

フレデリック・マリヤット(1792-1848)
『人狼』(宇野利泰訳『怪奇小説傑作集2』創元推理文庫収録)

オノレ・ド・バルザック(1799-1850)
『神と和解したメルモス』(私市保彦/ 加藤尚宏編『バルザック幻想・怪奇小説選集3 呪われた子・他』水声社収録)
『あら皮 欲望の哲学』(小倉孝誠訳 藤原書店)
『セラフィタ』(沢崎浩平訳 国書刊行会)
『ルイ・ランベール』(私市保彦訳『神秘の書』水声社収録)

ワシントン・アーヴィング(1783-1859)
『ドイツ人学生の冒険』(志村正雄訳 志村正雄編『米国ゴシック作品集』国書刊行会収録)

メアリ・シェリー(1797-1851)
『フランケンシュタイン』(森下弓子訳 創元推理文庫)

ヴィルヘルム・マインホルト(1797-1851)
『琥珀の魔女』(前川道介/ 本岡五男訳 創土社)

ヴィクトル・ユゴー(1802-1885)
『氷島奇談』(島田尚一訳『世界の文学7』中央公論社収録)

エドワード・ブルワー=リットン(1803-1873)
『幽霊屋敷』(平井呈一訳 平井呈一編『怪奇小説傑作集1』創元推理文庫収録)
『不思議な物語』(中西敏一訳 国書刊行会)
『ザノーニ』(富山太佳夫/ 村田靖子訳 国書刊行会)

プロスペル・メリメ(1803-1870)
『イールのヴィーナス』(杉捷夫訳 東雅夫『世界幻想文学大全 怪奇小説精華』ちくま文庫収録)

エドガー・アラン・ポオ(1809-1849)
『壜のなかの手記』(阿部知二訳『ポオ小説全集1』創元推理文庫収録)
『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』(大西尹明訳『ポオ小説全集2』創元推理文庫収録)
『メッツェンガーシュタイン』(小泉一郎訳『ポオ小説全集1』創元推理文庫収録)
『群衆の人』(中野好夫訳『ポオ小説全集2』創元推理文庫収録)
『赤死病の仮面』(松村達雄訳『ポオ小説全集3』創元推理文庫収録)
『沈黙』(永川玲二訳『ポオ小説全集2』創元推理文庫収録)
『影』(河野一郎訳『ポオ小説全集1』創元推理文庫収録)
『リジイア』(阿部知二訳『ポオ小説全集1』創元推理文庫収録)
『アッシャー家の崩壊』(河野一郎訳『ポオ小説全集1』創元推理文庫収録)

ナサニエル・ホーソーン(1804-1864)
『大理石の牧神』(島田太郎/ 三宅卓雄/ 池田孝一訳 国書刊行会)
『牧師の黒のベール ある寓話』(坂下昇訳『ホーソーン短篇小説集』岩波文庫収録)
『野望に燃える客人』(国重純二『ナサニエル・ホーソーン短編全集1』南雲堂収録)
『七破風の屋敷』(大橋健三郎訳『世界文学大系81』筑摩書房収録)

トマス・プレスケット・プレスト(1810-1879)
『恐怖の来訪者』(『吸血鬼ヴァーニー』の抜粋)(武富義夫訳 矢野浩三郎編『怪奇と幻想1 吸血鬼と魔女』角川文庫収録)

テオフィル・ゴーチェ(1811-1872)
『化身』(小柳保義訳 店村新次/ 小柳保義編『ゴーチエ幻想作品集』創土社収録)
『ミイラの足』(小柳保義訳『変化 フランス幻想小説』現代教養文庫収録)
『死女の恋』(青柳瑞穂訳 澁澤龍彦編『怪奇小説傑作集4』創元推理文庫収録)
『クレオパトラの一夜』(小柳保義訳『魔眼 フランス幻想小説』現代教養文庫収録)

チャールズ・ディケンズ(1812-1870)
『信号手』(橋本福夫訳『怪奇小説傑作集3』創元推理文庫収録)

エミリー・ブロンテ(1818-1848)
『嵐が丘』(小野寺健訳 光文社古典新訳文庫)

ギュスターヴ・フローベール(1821-1880)
『聖アントワヌの誘惑』(渡辺一夫訳 岩波文庫)

ジョージ・マクドナルド(1824-1905)
『リリス』(荒俣宏訳 ちくま文庫)

エルクマン=シャトリアン(エミール・エルクマン(1822-1899)/ アレクサンドル・シャトリアン(1826-1890))
『見えない眼』(平井呈一訳 平井呈一編『恐怖の愉しみ』創元推理文庫収録)
『梟の耳』(小林晋訳『エルクマン- シャトリアン怪奇幻想短編集』ROM 叢書収録)

フィッツ=ジェイムズ・オブライエン(1828-1862)
『あれは何だったか?』(橋本福夫訳 平井呈一編『怪奇小説傑作集3』創元推理文庫収録)
『ダイヤモンドのレンズ』(南條竹則訳『不思議屋/ ダイヤモンドのレンズ』光文社古典新訳文庫収録)

ヴィリエ・ド・リラダン(1838-1889)
『希望』(釜山健訳『最後の宴の客』国書刊行会収録)

アンブローズ・ビアス(1842-1913?)
『ハルピン・フレーザーの死』(飯島淳秀訳 荒俣宏編『アメリカ怪談集』河出文庫収録)
『怪物』(大西尹明訳 平井呈一編『怪奇小説傑作集3』創元推理文庫収録)
『環境が肝心』(大津栄一郎訳『ビアス短篇集』岩波文庫収録)
『右足の中指』(飯島淳秀訳『完訳・ビアス怪異譚』創土社収録)
『幽霊屋敷』(飯島淳秀訳『完訳・ビアス怪異譚』創土社収録)

ヘンリー・ジェイムズ(1843-1916)
『ねじの回転』(蕗沢忠枝訳 新潮文庫)

ロバート・ルイス・スティーヴンスン(1850-1894)
『ジキル博士とハイド氏』(夏来健次訳 創元推理文庫)
『死骸盗人』(河田智雄訳『スティーヴンソン怪奇短篇集』福武文庫収録)
『マーカイム』(高松雄一/ 高松禎子訳『マーカイム/ 壜の小鬼 他五篇』岩波文庫収録)

ブラム・ストーカー(1847-1912)
『吸血鬼ドラキュラ』(平井呈一訳 創元推理文庫)
『七つ星の宝石』(森沢くみ子訳 アトリエサード)

ギイ・ド・モーパッサン(1850-1893)
『オルラ』(榊原晃三訳『モーパッサン怪奇傑作集』福武文庫収録)
『だれが知ろう?』(榊原晃三訳『モーパッサン怪奇傑作集』福武文庫収録)
『恐怖』(榊原晃三訳『モーパッサン怪奇傑作集』福武文庫収録)
『水の上』(榊原晃三訳『モーパッサン怪奇傑作集』福武文庫収録)
『幽霊』(榊原晃三訳『モーパッサン怪奇傑作集』福武文庫収録)
『狼』(青柳瑞穂訳『モーパッサン短編集3』新潮文庫収録)

ラフカディオ・ハーン(1850-1904)
『怪談』(平井呈一訳 岩波文庫)

メアリ・E・ウイルキンズ=フリーマン(1852-1930)
『壁にうつる影』(梅田正彦編訳『ざくろの実』鳥影社収録)

オスカー・ワイルド(1854-1900)
『ドリアン・グレイの肖像』(仁木めぐみ 光文社古典新訳文庫)

フランシス・マリオン・クロフォード(1854-1909)
『上段寝台』(乾信一郎訳 ロアルド・ダール編『ロアルド・ダールの幽霊物語』ハヤカワ・ミステリ文庫収録)
『死骨の咲顔』(平井呈一訳 荒俣宏/ 紀田順一郎編『怪奇幻想の文学4 恐怖の探究』新人物往来社収録)

H・R・ハガード(1856-1925)
『洞窟の女王』(大久保康雄訳 創元推理文庫)

アーサー・コナン・ドイル(1859-1930)
『北極星号の船長』(北原尚彦/ 西崎憲訳『北極星号の船長』創元推理文庫収録)
『競売ナンバー二四九』(北原尚彦/ 西崎憲訳『クルンバーの謎』創元推理文庫収録)

シャーロット・パーキンズ・ギルマン(1860-1935)
『黄色い壁紙』(西崎憲訳 倉阪鬼一郎/ 南條竹則/ 西崎憲編『淑やかな悪夢』創元推理文庫収録)

クレメンス・ハウスマン(1861-1955)
『人狼』(野村芳夫訳 荒俣宏編『怪奇文学大山脈 西洋近代名作選1 19 世紀再興篇』東京創元社収録)

M・R・ジェイムズ(1862-1936)
『好古家の怪談集』(紀田順一郎訳『M・R・ジェイムズ怪談全集1』創元推理文庫収録)
 『マグナス伯爵』(紀田順一郎訳『M・R・ジェイムズ怪談全集1』創元推理文庫収録)
 『笛吹かば現われん』(紀田順一郎訳『M・R・ジェイムズ怪談全集1』創元推理文庫収録)
 『トマス僧院長の宝』(紀田順一郎訳『M・R・ジェイムズ怪談全集1』創元推理文庫収録)
『続・好古家の怪談集』(紀田順一郎訳『M・R・ジェイムズ怪談全集1』創元推理文庫収録)
 『バーチェスター聖堂の大助祭席』(紀田順一郎訳『M・R・ジェイムズ怪談全集1』創元推理文庫収録)
『痩せこけた幽霊』(紀田順一郎訳『M・R・ジェイムズ怪談全集2』創元推理文庫収録)
 『寺院史夜話』(紀田順一郎訳『M・R・ジェイムズ怪談全集2』創元推理文庫収録)
『猟奇への戒め』(紀田順一郎訳『M・R・ジェイムズ怪談全集2』創元推理文庫収録)
『五つの壷』(紀田順一郎訳『五つの壷』ハヤカワ文庫FT 収録)

ラルフ・アダムス・クラム(1863-1942)
『死の谷』(関桂子訳『ミステリマガジン1984 年8 月号』早川書房収録)

アーサー・マッケン(1863-1947)
『夢の丘』(平井呈一訳 創元推理文庫)
『パンの大神』(平井呈一訳 平井呈一編『怪奇小説傑作集1』創元推理文庫収録)
『白魔』(南條竹則訳『白魔』光文社古典新訳文庫収録)
『怪奇クラブ』(平井呈一訳 創元推理文庫)
 『黒い石印』(平井呈一訳『怪奇クラブ』創元推理文庫収録)
 『白い粉薬のはなし』(平井呈一訳『怪奇クラブ』創元推理文庫収録)
 『大いなる来復』(平井呈一訳『怪奇クラブ』創元推理文庫収録)
『輝く金字塔』(南條竹則『輝く金字塔』国書刊行会収録)
『赤い手』(平井呈一訳『三人の詐欺師 アーサー・マッケン作品集成2』沖積舎収録)
『恐怖』(平井呈一訳『恐怖 アーサー・マッケン作品集成3』沖積舎収録)
『弓兵・戦争伝説』(平井呈一訳『恐怖 アーサー・マッケン作品集成3』沖積舎収録)

ウイリアム・ウイマーク・ジェイコブズ(1863-1943)
『猿の手』(平井呈一訳 平井呈一編『怪奇小説傑作集1』創元推理文庫収録)

R・W・チェンバース(1865-1933)
『黄衣の王』(大瀧啓裕訳 創元推理文庫)

ラドヤード・キプリング(1865-1936)
『イムレイの帰還』(橋本福夫訳 平井呈一編『怪奇小説傑作集3』創元推理文庫収録)
『獣の印』(橋本槇矩訳 東雅夫編『世界幻想文学大全 怪奇小説精華』ちくま文庫収録)
『幻の人力車』(岡本綺堂訳『世界怪談名作集』河出文庫収録)

エドワード・ルーカス・ホワイト(1866-1934)
『こびとの呪い』(中村能三訳 平井呈一編『怪奇小説傑作集2』創元推理文庫収録)
『セイレーンの歌』(森美樹和訳 荒俣宏/ 紀田順一郎編『怪奇幻想の文学5 怪物の時代』新人物往来社収録)
『鼻面』(西崎憲訳 荒俣宏編『怪奇文学大山脈 西洋近代名作選2 20 世紀革新篇』東京創元社収録)

M・P・シール(1865-1947)
『ゼリューシャ』(南條竹則『怪談の悦び』創元推理文庫収録)
『音のする家』(阿部主計訳 荒俣宏/ 紀田順一郎編『怪奇幻想の文学4 恐怖の探究』新人物往来社収録)

リチャード・マーシュ(1867-1915)
『黄金虫』( 榊優子 創元推理文庫)

E・F・ベンスン(1867-1940)
『遠くへ行き過ぎた男』(中野善夫訳『塔の中の部屋』アトリエサード収録)
『歩く疫病』(西崎憲訳 森英俊/ 野村宏平編『乱歩の選んだベスト・ホラー』ちくま文庫収録)
『恐怖の山』(鈴木克昌訳 東雅夫編『書物の王国18 妖怪』国書刊行会収録)
『顔』(八十島薫訳『ベンスン怪奇小説集』国書刊行会収録)

グスタフ・マイリンク(1868-1932)
『ゴーレム』(今村孝訳 白水U ブックス)

アルジャーノン・ブラックウッド(1869-1951)
『柳』(宇野利泰訳 早川書房編集部編『幻想と怪奇1』ハヤカワ・ミステリ収録)
『ウェンディゴ』(夏来健次訳『ウェンディゴ』アトリエサード)
『幻の下宿人』(樋口志津子訳『死を告げる白馬 』ソノラマ文庫海外シリーズ収録)
『心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿』(植松靖夫訳 創元推理文庫)
 『霊魂の侵略者』(植松靖夫訳『心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿』創元推理文庫収録)
 『古えの妖術』(植松靖夫訳『心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿』創元推理文庫収録)
 『炎魔』(植松靖夫訳『心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿』創元推理文庫収録)
 『秘密の崇拝』(植松靖夫訳『心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿』創元推理文庫収録)
 『犬のキャンプ』(植松靖夫訳『心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿』創元推理文庫収録)
『ジンボー』(北村太郎訳 月刊ペン社)
『ケンタウルス』(八十島薫訳 月刊ペン社)

アーヴィン・S・コッブ(1876-1944)
『魚頭 フィッシュヘッド』(曽田和子訳『別冊幻想文学 クトゥルー倶楽部』幻想文学会出版局収録)

H・H・エーヴェルス(1871-1943)
『アルラウネ』(麻井倫具/ 平田達治訳 国書刊行会)
『魔法使いの弟子』( 佐藤恵三訳 創土社)
『蜘蛛』(植田敏郎訳『怪奇小説傑作集5』創元推理文庫収録)

ウォルター・デ・ラ・メア(1873-1956)
『死者の誘(いざな)い』(田中西二郎訳 創元推理文庫)
『シートンのおばさん』(大西尹明訳 平井呈一編『怪奇小説傑作集3』創元推理文庫収録)
『樹』(脇明子訳 由良君美編『イギリス幻想小説傑作集』白水U ブックス収録)
『深淵より』(柿崎亮訳『デ・ラ・メア幻想短篇集』国書刊行会収録)
『世捨て人』(長井裕美子訳 シンシア・アスキス編『恐怖の分身』朝日ソノラマ文庫海外シリーズ収録)
『ケンプ氏』(柿崎亮訳『デ・ラ・メア幻想短篇集』国書刊行会収録)
『オール・ハロウズ大聖堂』(橋本槙矩訳『恋のお守り』ちくま文庫収録)

ウィリアム・ホープ・ホジスン(1877-1918)
『〈グレン・キャリグ号〉のボート』(野村芳夫訳 アトリエサード)
『異次元を覗く家』(荒俣宏訳 アトリエサード)
『幽霊海賊』(夏来健次訳 アトリエサード)
『ナイトランド』(荒俣宏訳 原書房)
『幽霊狩人カーナッキの事件簿』(夏来健次訳 創元推理文庫)

ロード・ダンセイニ(1878-1957)
『驚異の書』(中野善夫ほか訳『世界の涯(はて)の物語』河出文庫収録)
『夢見る人の物語』(中野善夫ほか訳『夢見る人の物語』河出文庫収録)
『山の神々』(松村みね子訳『ダンセイニ戯曲集』沖積舎収録)
『旅宿の一夜』(松村みね子訳『ダンセイニ戯曲集』沖積舎収録)
『神々の笑い』(松村みね子訳『ダンセイニ戯曲集』沖積舎収録)
『女王の敵』(松村みね子訳『ダンセイニ戯曲集』沖積舎収録)

E・M・フォースター(1879-1970)
『天国行きの乗合馬車』(小池滋訳『E・M・フォースター著作集5 短篇集1 天国行きの乗合馬車』みすず書房収録)

ヒュー・ウォルポール(1884-1941)
『ラント夫人』(平井呈一訳『恐怖の愉しみ』創元推理文庫収録)

H・R・ウェイクフィールド(1888-1964)
『赤い館』(鈴木克昌訳『ゴースト・ハント』創元推理文庫収録)
『ケルン』(鈴木克昌訳『ゴースト・ハント』創元推理文庫収録)
『彼の者現れて後去るべし』(鈴木克昌訳『ゴースト・ハント』創元推理文庫収録)
『彼の者、詩人なれば…』(鈴木克昌訳『ゴースト・ハント』創元推理文庫収録)
『目隠し遊び』(南條竹則訳『ゴースト・ハント』創元推理文庫収録)
『見上げてごらん』(鈴木克昌訳『ゴースト・ハント』創元推理文庫収録)
『ダンカスターの十七番ホール』(南條竹則訳 南條竹則編『怪談の悦び』創元推理文庫収録)

クラーク・アシュトン・スミス(1893-1961)
『大麻吸飲者』(蜂谷昭雄訳『魔術師の帝国』創土社収録)

L・P・ハートリー(1895-1972)
『豪州からの客』(小山太一訳 エドワード・ゴーリー編『憑かれた鏡』河出書房新社収録)


 18世紀のゴシック小説から、ラヴクラフトの同時代の作品まで、挙げられている作品はかなりの数に上ります。英米の作品だけでなく、バルザック、メリメ、リラダン、モーパッサンなどのフランス作家、マインホルト、エーヴェルス、マイリンクなどのドイツ作家にも目を通しているあたり、本当に読書家だったことがわかりますね。
 挙げられた作品数が多い作家ほど、ラヴクラフトの評価が高かったとするなら、とくに評価の高い作家は、エドガー・アラン・ポオ、ギイ・ド・モーパッサン、M・R・ジェイムズ、アルジャーノン・ブラックウッド、アーサー・マッケン、ロード・ダンセイニ、H・R・ウェイクフィールド、ウィリアム・ホープ・ホジスンあたりになるでしょうか。
 ちょっと意外だったのは、ウォルター・デ・ラ・メアの評価が高いこと。雰囲気小説の達人ともいうべきデ・ラ・メアと、ラヴクラフト自身の作風とはかなり異なりますが、それもまた興味深いところですね。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学



プロフィール

kazuou

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
記事の新旧に関わらず、コメント・トラックバックは歓迎しています。



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