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怪奇幻想読書倶楽部 第6回読書会 参加者募集です
4月16日告知

 「怪奇幻想読書倶楽部 第6回読書会」を、下記の日程で開催します。若干名の参加メンバーを募集しますので、参加したい方がおられたら、連絡をいただきたいと思います。 連絡いただきましたら、改めて詳細をメールにてお送りいたします。

お問い合わせは、下記アドレスまでお願いいたします。
kimyonasekai@amail.plala.or.jp


開催日:2017年4月30日(日曜日)
開 始:午後13:30
終 了:午後17:30
場 所:JR巣鴨駅周辺のカフェ
参加費:1300円(予定)
テーマ
第1部:欧米怪奇幻想小説入門(英米編1)
第2部:ファンタスティック・マガジン

※「怪奇幻想読書倶楽部」は、怪奇小説、幻想文学およびファンタスティックな作品(主に翻訳もの)についてのフリートークの読書会です。
※個人の発表やプレゼンなどはありません。話したい人が話してもらい、聴きたいだけの人は聴いているだけでも構いません。
※基本的には、オフ会のような雰囲気の会ですので、人見知りの方でも、安心して参加できると思います。

 第1部のテーマは「欧米怪奇幻想小説入門(英米編1)」。
 ゴシック・ロマンス、怪奇スリラー、ゴースト・ストーリー、異色短篇、パルプ小説にモダンホラー。一口に「怪奇幻想小説」と言っても、その種類は様々です。
 欧米の怪奇幻想小説に興味があるけれど、まず何を読んだらいいの? どんな作品があるの? といったところから、お勧めアンソロジーや参考書の紹介まで、欧米の怪奇幻想小説の本場であるイギリス・アメリカ作品を概観していきたいと思います。

 第2部は「ファンタスティック・マガジン」と題して、怪奇幻想や関連領域を扱った雑誌について語りたいと思います。
 古くは『幻想と怪奇』や『牧神』、新しいところでは『ナイトランド』、また『ミステリマガジン』の《幻想と怪奇》特集や『SFマガジン』の幻想小説を扱った特集、『ユリイカ』の作家特集など。
 雑誌そのものでも、雑誌の特定の号や増刊でも構いません。こんな雑誌がこんな特集をやっていた!というものでもOK。「ファンタスティック」な雑誌について話し合いたいと思います。

4月23日追記
 「第6回読書会」ですが、席がまだ余っていますので、参加してくれる方、引き続き募集中です。

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5月の気になる新刊と4月の新刊補遺
4月26日刊 オーガスト・ダーレス『ジョージおじさん 十七人の奇怪な人々』(アトリエサード 予価2592円)
5月1日刊 『楳図かずお『漂流教室』異次元への旅』(平凡社 予価1296円)
5月16日刊 イタロ・カルヴィーノ『まっぷたつの子爵』(岩波文庫 561円)
5月17日刊 河出書房新社編集部編『文藝別冊 澁澤龍彦入門』(河出書房新社 予価1512円)
5月19日刊 エイドリアン・トミネ『キリング・アンド・ダイング』(国書刊行会 予価3672円)
5月22日刊 G・K・チェスタトン『ブラウン神父の不信 新版』(創元推理文庫 予価799円)
5月22日刊 M・R・ケアリー『パンドラの少女 上下』(創元推理文庫 予価各972円)
5月24日刊 キャサリン・ダン『異形の愛』(河出書房新社 予価4104円)
5月24日刊 デイヴィッド・ホワイトハウス『図書館は逃走中』(早川書房 予価1944円)5月29日刊
エドワード・ケアリー『穢れの町 アイアマンガー三部作2』(東京創元社 予価3024円)
5月29日刊 柳下毅一郎監修『J・G・バラード短編全集3』(東京創元社 予価3888円)
5月29日刊 パトリック・ネス/シヴォーン・ダウド『怪物はささやく』(創元推理文庫 予価864円)
5月29日刊 アーサー・C・クラーク『地球幼年期の終わり 新版』(創元SF文庫 予価864円)
5月予定 ジュール・ヴェルヌ『蒸気で動く家 〈驚異の旅〉コレクション』(インスクリプト 予価5940円)


  《ナイトランド叢書》の新刊は、短篇の名手オーガスト・ダーレスの傑作集『ジョージおじさん 十七人の奇怪な人々』です。ダーレス作品は、アンソロジーにはよく収録されますが、単行本で邦訳があるのは『淋しい場所』(国書刊行会)のみだったので、ファンには嬉しい刊行ですね。

 イタロ・カルヴィーノの『まっぷたつの子爵』が岩波文庫入り。戦争の事故でまっぷたつになった子爵の左右半身が、それぞれ善と悪を体現するようになるという、寓話的作品の傑作です。
 これでカルヴィーノの《我らの祖先》三部作が、すべて復刊され、手に入りやすくなりました。他の2作も含め、《我らの祖先》シリーズは、カルヴィーノ作品の中では、物語性が強いエンターテインメントなので、オススメしておきたいと思います。

 M・R・ケアリー『パンドラの少女』は、映画化によるタイアップ文庫化でしょうか。ゾンビものの新機軸であり、破滅SF的な要素もある作品です。近年のホラー作品の中では出色の作品だと思います。

 キャサリン・ダン『異形の愛』は、かってペヨトル工房から出ていたものの復刊です。フリークスの一家のサーカスを舞台に、家族の愛憎を描く作品。題材は強烈ですが、中身はかなりまっとうな家族小説で、一読の価値がある作品だと思います。
 
 エドワード・ケアリーの《アイアマンガー三部作》の2作目『穢れの町』が登場です。1作目は非常にハラハラドキドキさせる良質のエンターテインメントでした。続編も楽しみです。

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侵略する雨  イサーク・エスバン監督『ダークレイン』
B01MY27UGVダークレイン [DVD]
アメイジングD.C. 2017-04-05

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 世界中が激しい豪雨に見舞われていたある夜、人里離れたバスの待合所内では、数人の人々がバスを待っていました。しかしバスは数時間も遅れており、一向にやってくる気配がありません。
 客がいらだちを募らせるなか、ウィルスに感染したらしい人間が現れます。やがて一人一人感染者が増えていきますが、なぜか待合所からは出られません。ガラスは防弾になっており、銃ですら開けることができないのです。
 ラジオからは、世界中で同じように、伝染病でパニックが起きているらしいことがわかりますが…。

 イサーク・エスバン監督『ダークレイン』は、1960年代のメキシコを舞台にした超常スリラー映画です。
 序盤から、世界中で何かが起きているらしいこと、バスが一向に現れないこと、待っている客たちがいらだちを募らせていることなどがわかりますが、それに加えて、登場人物たちがどれも不穏な状況を抱えているらしいことが、見ている者の不安に拍車をかけます。
 妻の出産にかけつけようとしている夫、暴力をふるう夫から逃げ出してきた臨月の妊婦、言葉が通じないシャーマンの老婆、反政府運動に従事しているらしい医学生、重い障害がある息子とその母親など。そんな人物たちが閉鎖的な環境に閉じ込められたことから、互いに不信感を抱き、争いが起き始めます。
 ウィルス感染らしき患者が現れたことから、それが政府の陰謀だと思い込んだり、悪魔の呪いだと言い出したりする人間がいるなか、とうとう暴力が発生してしまいます。

 作品のメインとなる「病」が単なる病気というよりは、超自然的な様相を持つものなので、「病」の原因は合理的なものではないことが予想はできるのですが、加えて、一向にやまない雨や、なぜか出ることのできない待合所などの要素も、超自然的な印象を高めます。
 出来事の原因や全体像が一向につかめない中盤までの展開は、とてもサスペンスフルです。中盤あたりから事態の原因がなんとなくわかってくるのですが、そこからはまた別の異様な要素が投入され、違った味わいの作品になっていきます。

 舞台は、ほぼ待合室の中だけに限定されています。おそらく低予算ゆえなのでしょうが、待合室の外、そして世界がどうなっているかが全くわからず、ラジオから断片的な情報だけが流れてくるという演出が、観ている者の想像力を高めます。
 また、「病」が蔓延した結果、世界中が変化してしまうのですが、その「病」の内容が人間の本質を問うものであったり、1960年代という時代が登場人物の設定に深みを与えるなど、いろいろと細かい部分で工夫がされています。

 監督のイサーク・エスバンは、ループものの新機軸というべき『パラドクス』を撮った人ですが、本作も、単純なSFやホラーには当てはまらない怪作です。前作もそうですが、SFやホラーに、ちょっと哲学的なスパイスを利かせた感じの作風が特徴です。
 この監督、非常に癖があるので、一般受けは難しいかもしれませんが、非常に独創的な作品を作る人なので、次回作が楽しみですね。

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リドル・ストーリーと結末の定まらない物語 その3
●物語自体が謎につつまれている作品
 物語そのものの解釈が不可解だったり、謎につつまれているタイプの作品です。


4480429050謎の物語 (ちくま文庫)
紀田 順一郎
筑摩書房 2012-02

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ウォルター・デ・ラ・メア『なぞ』(紀田順一郎訳 紀田順一郎編『謎の物語』ちくま文庫収録)
 七人の子供たちは、おばあさんの家で暮らすことになります。おばあさんは、家のどこで遊んでもいいが、空き部屋にある古い樫の長持で遊んではいけないと、子供たちに諭します。子供たちは、空き部屋で一人づつ姿を消していきますが…。
 不思議な長持、子供たちの失踪、何とでも解釈できそうな魅力的な掌編です。



ナサニエル・ホーソーン『ヒギンボタム氏の災難』(竹村和子訳 紀田順一郎編『謎の物語』ちくま文庫収録)
 旅人に何か新しいニュースがないかと訊ねた男は、資産家のヒギンボタム氏が殺されたという話を聞き、吹聴してまわります。しかし、ヒギンボタム氏の知り合いは、彼は殺されてなどいないというのですが…。
 殺人事件は本当に起こったのか? 真実が二転三転するスラップスティックな作品。



小泉八雲『茶わんのなか』(平井呈一訳 紀田順一郎編『謎の物語』ちくま文庫収録)
 ある侍がお茶を飲んでいると、茶碗の中に見知らぬ若者の顔が映ります。そのまま茶を飲み干した侍は、その晩屋敷の当直についている際に、茶に映ったのと同じ顔をした若者の訪問を受けます。侍が切りつけると若者は消えてしまいます。その後も若者の家来だという三人組が現れますが…。
 著者八雲が日本の話を再話した作品。不思議な現象といい、唐突な終わり方といい、いかようにも解釈できそうなストーリーです。



ハーヴィー・ジェイコブズ『おもちゃ』(荒俣宏訳『魔法のお店』ちくま文庫収録)
 中年男性が、ふと骨董店のウィンドウに目を留めます。そこにあったのは、自分が二十年も前に持っていたおもちゃでした。懐かしくなった男が店の中に入ると、そこにあったのは自分が持っていたおもちゃばかりだったのです…。
 過去への郷愁を呼び覚ますおもちゃの数々。単純なノスタルジーには終わらない苦い結末にも味があります。



448003644X怪奇探偵小説傑作選〈4〉城昌幸集―みすてりい (ちくま文庫)
城 昌幸 日下 三蔵
筑摩書房 2001-05

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城昌幸『古い長持』(日下三蔵編『城昌幸集 みすてりい 怪奇探偵小説傑作選4』ちくま文庫収録)
 長年連れ添った妻は、夫に向かって訊ねます。ずっと空けてはいけないと言われていた、あの長持には何が入っているのかと。しかし夫は答えません。ある夜、妻は長持の中身を確認しようとしますが、その翌日から妻の姿は見当たらないのです…。
 長持の中には何があったのか? デ・ラ・メア『なぞ』に通じるところのある、ファンタスティックな味わいの掌編です。



4003230434ホーソーン短篇小説集 (岩波文庫)
ホーソーン 坂下 昇
岩波書店 1993-07-16

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ナサニエル・ホーソーン『牧師の黒のベール』(坂下昇訳『ホーソーン短篇小説集』岩波文庫収録)
 突然、顔に黒いベールを付け始めたフーパー牧師。村人たちは恐れを抱きますが、牧師はベールを外すことなく生活を続けます…。
 黒いベールとは何なのか? 牧師がベールをつける意味も理由も全く説明されません。いかようにも解釈が可能な作品。



4862651356ざくろの実―アメリカ女流作家怪奇小説選
イーデス ウォートン Edith Wharton
鳥影社 2008-06

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イーデス・ウォートン『ざくろの実』(梅田正彦編訳『ざくろの実 アメリカ女流作家怪奇小説選』鳥影社収録)
 新婚のシャーロットとケネス夫妻。幸せな生活を送る二人のもとに、ある日突然手紙が届きます。夫あてに届けられたその手紙には、差出し人の名前はありません。手紙が届くたびに苦悩を浮かべる夫に対し、シャーロットは、昔の恋人からなのではないかと疑心暗鬼に陥ります。そして夫は突然姿を消してしまいますが…。
 手紙の差出し人はいったい誰なのか? 死んだ前妻の影をちらつかせながらも、あくまで、具体的な情報は最後まではっきりしません。ゴースト・ストーリーなのかどうかすらわからないゴースト・ストーリーという、非常に技巧的な作品です。



イーリア・ウィルキンソン・ピーティー『なかった家』(梅田正彦編訳『ざくろの実 アメリカ女流作家怪奇小説選』鳥影社収録)
 年上の夫と結婚した、うら若い妻は、移り住んだ農場のまわりに人気がないのに退屈していました。ふと、視界のはしに小さな家があるのを見つけた妻は夫に問いただします。あそこに住んでいるのはだれ? 隣人とつきあってはいけないの? しかし、夫はあそこには誰も住んでいないと答えます。そもそも、家などあそこには存在しないのだと…。
 「家の幽霊」を扱った、切れ味するどい掌編です。妻が、本格的に怪異に関わり合うのではなく、かすかにすれ違うような、あっさりとした展開が、逆に新鮮です。



4488555047街角の書店 (18の奇妙な物語) (創元推理文庫)
フレドリック・ブラウン シャーリイ・ジャクスン 中村 融
東京創元社 2015-05-29

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テリー・カー『試金石』(中村融訳『街角の書店 18の奇妙な物語』創元推理文庫収録)
 男が骨董店で手に入れた「試金石」は、常にさわっていたくなる奇妙な魅力を持っていました。その石を触っているうちに、男は何に対しても興味を失っていきます…。
 「試金石」とは何なのか? 結末に至ってもその由来も意味も明かされず、妙な読後感を残す一篇です。



4003271920七人の使者・神を見た犬 他十三篇 (岩波文庫)
ブッツァーティ 脇 功
岩波書店 2013-05-17

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ディーノ・ブッツァーティ『七階』(脇功訳『七人の使者・神を見た犬 他十三篇』岩波文庫収録)
 とある病院に入院することになった男。その病院では、症状の重さによって階が分けられていました。一番症状の軽い患者は七階、重くなるにしたがって、下の階に移されていくのです。何かの手違いから、七階にいた男は、どんどんと下の階に移されてゆくのですが…。
 エスカレートする不条理な展開が魅力的。ブッツァーティの代表作ともいうべき傑作短編。



ディーノ・ブッツァーティ『なにかが起こった』(脇功訳『七人の使者・神を見た犬 他十三篇』岩波文庫収録)
 北に向かう特急列車に乗った男が、窓の外を眺めていると、あたりの住人が大あわてで南に逃げていくのに気づきます。しかし、何が起こっているのか、その原因は何なのか、まったく分かりません。やがて列車は無人の駅のプラットホームにたどり着きますが…
 重大な「何か」が起こっているにもかかわらず、それが何なのかが全くわからないという、不条理の極致を描いた作品です。


●リドル・ストーリーをテーマにした作品


4087468186追想五断章 (集英社文庫)
米澤 穂信
集英社 2012-04-20

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米澤穂信『追想五断章』(集英社文庫)
 古書店でアルバイトする青年の前に、父親が過去に書いたという5つのリドル・ストーリーを探してほしいという女性が現れます。調査を続けるうちに、女性の父親が巻き込まれたという事件の謎が浮かび上がり…。
 なんといっても、「リドル・ストーリー」をテーマにしているという着想が魅力的です。ちゃんと作中作として、リドル・ストーリーが埋め込まれており、このジャンルの作品が好きな人にはたまらない魅力となっています。



4152093188謎(リドル)の謎(ミステリ)その他の謎(リドル) (ミステリ・ワールド)
山口 雅也
早川書房 2012-08-24

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山口雅也『謎(リドル)の謎(ミステリ)その他の謎(リドル) 』(早川書房)
 リドル・ストーリーの短篇5作を収録した作品集。フランク・R・ストックトン作品や、クリーヴランド・モフェット作品に対するオマージュ的な部分もあり、面白い作品集ですが、リドル・ストーリーというジャンルを知らない読者が読むには楽しみにくいかも。


●リドル・ストーリーについて言及されているエッセイ・評論

4061362186夢探偵―SF&ミステリー百科 (講談社文庫)
石川 喬司
講談社 1981-10

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石川喬司『夢探偵 SF&ミステリー百科』 (講談社文庫)
 初心者向けに書かれた、ミステリとSFの入門書です。それぞれのテーマ別に章立てがなされており、リドル・ストーリーにも一章が割かれています。ブックガイドの名著。



4122012031ミステリ散歩 (中公文庫)
各務 三郎
中央公論社 1985-03

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各務三郎『ミステリ散歩』(中公文庫)
 ミステリ全般に関する啓蒙的エッセイ集です。それぞれの項目が短いので、深く知りたい人には物足りないかもしれません。


410137323X謎のギャラリー―名作博本館 (新潮文庫)
北村 薫
新潮社 2002-01

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北村薫編『謎のギャラリー 名作博本館』 (新潮文庫)
 アンソロジー《謎のギャラリー》の解説編として出たエッセイ集です。対談形式で、テーマ別に作品が語られていくという形式になっています。一章がリドル・ストーリーについて割かれており、『夢探偵 SF&ミステリー百科』とともに、リドル・ストーリーについて知りたい方にはお勧めしたい本です。


4087203085ショートショートの世界 (集英社新書 (0308))
高井 信
集英社 2005-09

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高井信『ショートショートの世界』 (集英社新書)
 日本で唯一のショートショート全般に関するガイドブック。リドル・ストーリーについての言及もあります。


●結末が複数ある作品

4488010563テロ
フェルディナント・フォン・シーラッハ 酒寄 進一
東京創元社 2016-07-11

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フェルディナント・フォン・シーラッハ『テロ』(酒寄進一訳 東京創元社)
 百六十四人の乗客の乗った旅客機がハイジャックされます。テロリストたちの目的は、七万人の観客がいるサッカースタジアムに自爆テロをしかけるというもの。国防大臣からの待機指令を無視し、空軍少佐は独断で旅客機を撃墜します。
 より多人数の人間を救うためには、少数の犠牲もやむを得ないという、少佐の行動は正しかったのか? 裁判において様々な検証が行われていきます。
 有罪判決と無罪判決、二通りの結末が用意された問題作です。



4594011985if もしも
戸田山 雅司 武上 純希 蒔田 光治 岩城 レイ子 石田 雅彦 島崎 ふみ フジテレビifもしも
フジテレビ出版 1993-07

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『if もしも』(フジテレビ出版)
 一話ごとに、物語上の分岐点が存在し、そこから枝分かれした2通りのストーリーを描くというオムニバスドラマシリーズのノベライズ。
 基本は、ストーリーの途中で、2つの選択肢が発生します。それぞれを選択した2つの物語を順番、もしくは交互に描いていきます。2つの選択肢が、それぞれハッピーエンドとバッドエンドになることが多いものの、どちらもハッピーエンド、どちらもバッドエンドというパターンもあり。
 ストーリーの分岐という点は面白いものの、肝心のストーリー自体にあまり魅力がないのが玉に瑕です。



4890139346ガール・イン・レッド
アーロン フリッシュ Aaron Frisch
西村書店 2013-02

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アーロン・フリッシュ作、ロベルト・インノチェンティ絵『ガール・イン・レッド』(金原瑞人訳 西村書店)
 「赤ずきん」をモチーフに現代で展開する物語。ヒロインが向かうのは、都会の危険なスラム街です。ハッピーエンドとバッドエンド、2種類の結末が用意されています。



4334752381羊飼いの指輪――ファンタジーの練習帳 (光文社古典新訳文庫)
ジャンニ ロダーリ Gianni Rodari
光文社 2011-10-12

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ジャンニ・ロダーリ『羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳』(関口英子訳 光文社古典新訳文庫)
 ファンタジー風物語が収められた短篇集ですが、それぞれの短篇に対して、3つの結末がつけられているのが特徴。読者は各々好きな結末を選ぶことができます。
 著者が用意した結末だけでなく、読者オリジナルの結末を考えることも勧められています。読者参加型の作品集といえます。



4003279212伝奇集 (岩波文庫)
J.L. ボルヘス 鼓 直
岩波書店 1993-11-16

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ホルヘ・ルイス・ボルヘス『ハーバート・クエインの作品の検討』(鼓直訳『伝奇集』岩波文庫収録)
 架空の作家ハーバート・クエインの作品を検討するという体裁の作品です。いくつかの作品の梗概が言及されますが、それがどれも風変わりな特徴を持っています。
 中でも、三つに分岐した章が更に三つに分岐するという「April March(四月、三月)」、 故意に未完で終わっているという小説集「提示」は、面白いアイディアですね。
 「提示」に関しては、ボルヘスもこれに触発されて短編『円環の廃墟』を書いたという、まことしやかな描写もあります。


●結末だけでなく、物語の全体像がわからないもの(物語の萌芽のみが示されている)

4309276202ハリス・バーディックの謎
クリス・ヴァン オールズバーグ Chris Van Allsburg
河出書房新社 2015-07-22

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クリス・ヴァン・オールズバーグ『ハリス・バーディックの謎』(村上春樹訳 河出書房新社)
 謎を含んだ1枚絵が並べられるという構成の絵本。簡単なキャプションしか付けられておらず、物語は読者の想像に委ねられています。
 絵を元に、多数の作家が、実際に物語を想像した作品を集めた『ハリス・バーディック年代記』(河出書房新社)という本もあり。


●結末だけが示されているもの

4041592011きなきな族からの脱出 (角川文庫 (5858))
和田 誠
角川書店 1984-09

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和田誠『きなきな族からの脱出』(角川文庫)
 いろいろな小説の終章だけを集めたというコンセプトの作品集。ミステリあり、SFあり、時代小説あり、純文学ありと、収められた作品の範囲は幅広いです。
 別れた恋人の結婚相手が架空の人物ではないかと疑う『花粉時計』、山奥に日本人と接触のない謎の民族がいたという『向う側』、留学した若い娘のパトロンの9人を描く『足ながおじさんず』、怪談会が異様な展開になるという『窓と扉』など。
 終章だけなので、全体像が見えず不満を抱きやすいのではないか…と思いきや、どれも短編として上手いので、それだけ完結したように見えてしまうのが玉に瑕でしょうか。結末がどうなったかわからない、リドル・ストーリー的な作品もいくつかあり。

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リドル・ストーリーと結末の定まらない物語 その2
●真相が最後まで分からない作品
 事件や品物の真相が最後まで分からないまま結末を迎えるタイプの物語です。結末自体は示されることが多いようです。


4480429050謎の物語 (ちくま文庫)
紀田 順一郎
筑摩書房 2012-02

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クリーヴランド・モフェット『謎のカード』(深町眞理子訳 紀田順一郎編『謎の物語』ちくま文庫収録)
 主人公の男性は、パリで美女から一枚のカードを手に入れます。そのカードには紫の文字で言葉が書いてありますが、男性はフランス語が読めません。気になった主人公はホテルの支配人に内容を読んでもらおうとしますが、カードを見せたとたん、ホテルを追い出されてしまいます。
 その後も、友人や知り合いにカードの文字を読んでもらおうとする度に、内容も教えてもらえないまま拒絶されてしまいます。そんなある日、男性は街でカードを渡された美女を見つけますが…。
 カードにはいったい何が書いてあるのか? 『女か虎か』と並ぶ、リドル・ストーリーの原型的作品の一つです。著者自身による解決篇では、オカルト色が強い怪奇小説に。



バリイ・ペロウン『穴のあいた記憶』(稲井嘉正訳 紀田順一郎編『謎の物語』ちくま文庫収録)
 劇作家は、殺人を扱った劇で画期的なトリックを思いつきますが、直後に酒に酔い車にはねられたショックで、その内容を忘れてしまいます。酒場で劇の内容を見知らぬ小男に話したことだけは覚えていた劇作家は、小男を必死で探しますが…。
 画期的な殺人トリックとは何だったのか? 最後までトリックそのものはわからないというリドル・ストーリー。



4480431187怪奇小説日和: 黄金時代傑作選 (ちくま文庫 に 13-2)
西崎 憲
筑摩書房 2013-11-06

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ハリファックス卿『ボルドー行の乗合馬車』(倉阪鬼一郎訳 西崎憲編『怪奇小説日和』ちくま文庫収録)
 語り手が歩いていると、複数の男がやってきて、ある頼みごとをします。それは通りの突き当たりに立っている女性に、ボルドー行の乗合馬車は何時に出発するのか尋ねてほしい、とのことでした。女性にその件を尋ねると、語り手はなぜか警察に連行されてしまいます。挙句の果ては、裁判で有罪を宣告され、収監されてしまうのです…。
 モフェット『謎のカード』に印象のよく似た作品。



W・W・ジェイコブズ『失われた船』(西崎憲訳 西崎憲編『怪奇小説日和』ちくま文庫収録))
 皆に祝福されながら出帆した船は、何年経っても戻らず、船に乗った人々は死んだと見なされていました。かなりの年数が経過したあと、船員の一人だった男が憔悴した状態で家に帰ってきます。船がどうなったか聞きたがる人々に対し、息子は疲れているから先に休ませてくれと頼む母親でしたが…。
 船とその乗員たちはいったいどうなったのか? 情感のあふれるリドル・ストーリー。



4309462634最後の夢の物語 (河出文庫)
ロード・ダンセイニ 中野 善夫
河出書房新社 2006-03-04

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ロード・ダンセイニ『悪魔の感謝』(中野善夫訳『最後の夢の物語』河出文庫収録)
 悪魔から、この世で最高の詩を書ける能力を手に入れた青年。しかしその詩を読み聞かせた人々は、思いもかけない反応を示します。怒ったり、泣いたりと、その反応は様々なのです。その詩には一体何があるのか…?
 人によって様々な反応を引き出す悪魔の詩。奇妙な味のリドル・ストーリーです。



4151824014二壜の調味料 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ロード ダンセイニ 小林 晋
早川書房 2016-11-22

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ロード・ダンセイニ『書かれざるスリラー』(小林晋訳『二壜の調味料』ハヤカワ・ミステリ文庫収録)
 絶対に見つからない殺人法を考えついたというテイザーの話を聞いたインドラムは、彼に探偵小説を書くように勧めます。しかしいつまで経っても、テイザーは小説を書こうとしません。それどころか政界進出を目論んでいるというのです。殺人のアイディアを実行に移すのではないかと危惧するインドラムは、間接的にテイザーに影響を及ぼそうと考えますが…。
 本当に露見しない殺人方法は存在するのか? 曖昧な結末を迎える、ブラック・ユーモアにあふれた作品。



4488538029金剛石のレンズ (創元推理文庫)
フィッツ=ジェイムズ オブライエン Fitz‐James O'Brien
東京創元社 2008-12

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フィッツ=ジェイムズ・オブライエン『絶対の秘密』(大瀧啓裕訳『金剛石のレンズ』創元推理文庫収録)
 両親を失い孤児となった青年は、互いに犬猿の仲にある二人の伯父の間で育ちます。片方の伯父の娘と恋仲になりながらも、もう一人の資産家の伯父の財産のために、彼女を捨てようとした彼は、結局どちらをも失ってしまいます。ひょんなことから死んだ人間と入れかわった青年は、謎の組織に追われることになりますが…。
 よんどころない事情から身元を偽った青年は、謎の組織に追われ続けます。追われる理由も示されず、事件の全容がまったくわからないままに終わってしまうという、まるでサスペンス小説の発端だけを読まされているような、奇妙な物語です。



4150719551九時から五時までの男 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
スタンリイ エリン Stanley Ellin
早川書房 2003-12

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スタンリイ・エリン『不当な疑惑』(田中融二訳『九時から五時までの男』ハヤカワ・ミステリ文庫収録)
 静養旅行中の男は、列車内で交わされる乗客同士の話に耳を引かれます。それはベテラン弁護士が扱った事件でした。双子の兄弟の片割れが、資産家の伯父を殺したとして逮捕されます。裁判中に証人として立ったもう一人の兄弟が、実は自分が犯人だと証言し、結果、容疑者の方の兄弟は無罪として開放されます。再び兄弟が殺人罪として裁判にかけられると、もう一人の兄弟が自分が犯人だと話し始めますが…。
 互いに自分が殺人犯だと話す兄弟、いったいどちらが犯人なのか? 興味を持って読み進む読者を煙に巻く結末もユニーク。



4894565900夜が明けたら (ハルキ文庫)
小松 左京
角川春樹事務所 1999-11

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小松左京『牛の首』『夜が明けたら』ハルキ文庫収録)。
 「牛の首」という、タイトルだけが、世間に流布している怪談がありました。誰もが口をそろえて「あんな恐ろしい話は聞いたことがない」と言うのです。しかし、具体的にどんな話なのか誰に聞いても教えてもらえない…という話。



4309408699となりの宇宙人 (河出文庫)
半村 良
河出書房新社 2007-10

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半村良『罪なき男』『となりの宇宙人』河出文庫収録)
 交通事故に遭い、昏睡状態だった男が目を覚ますと、そこは病院でした。しかし、病院内の人間は、彼を疎ましがり、何を聞いてもまともに答えてくれません。追い出されるようにして退院した男は、自分が疎まれる原因を調べようとしますが…。
 自分が嫌われる理由を探しますが、誰も答えてくれない…という物語。



4101134146おさん (新潮文庫)
山本 周五郎
新潮社 1970-10-22

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山本周五郎『その木戸を通って』『おさん』新潮文庫収録)
 主人公の侍は、縁談を控えている身でしたが、ある日上司から詰問を受けます。婚約者がお前の家で見知らぬ娘を見たが、後ろ暗いところはあるまいな、と。
 家に帰ると、確かに見知らぬ娘がいますが、娘は侍の顔にも見覚えがない、ただあなたの名前にだけ覚えがある、と話します。記憶喪失であるらしい娘を保護しているうちに愛情を覚えた侍は、娘を妻にしますが…。
 娘の素性は全く明かされず、謎も多く残るのですが、読んでいてあまり不満が残らないという、不思議な味わいの人情小説です。



4102292012消えた娘 (新潮文庫)
クレイ レイノルズ 土屋 政雄
新潮社 1989-06

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クレイ・レイノルズ『消えた娘』(土屋政雄訳 新潮文庫)
 資産家ながら、浮気性の夫に愛想をつかしたイモジンは、18歳の美しい娘コーラを連れて、家を出ます。車の故障のため立ち寄った田舎町で、アイスクリームを買うために、近くの店に入っていったコーラが、いつまで経っても出てこないのを不審に感じたイモジンは、店の主人にたずねますが、誰も店には入ってこなかったというのです。
 イモジンは、ベンチでひたすら娘を待ち続けますが、コーラは現れません。周りの人々や姉の説得にも耳を貸さず、やがて持ち出した財産も底をつきます。一週間、一ヶ月、一年、そして数十年の月日が流れますが、イモジンはベンチで娘を待ち続けるのです…。
 娘はいったいどこに消えたのか? という魅力的な謎が、冒頭で提出され、その謎でひっぱっていくのかと思いきや、この作品の主眼はそこにはありません。読み続けても、娘コーラの失踪に関する捜査の進展はほとんど無いに等しいのです。ただ、ひたすら娘を待ち続けるイモジンという女性が描かれていきます。
 娘はなぜ、どこへ消えたのか?という謎とともに、かたくななまでに同じ場所に待ち続ける母親の心の謎が描かれる、ふしぎなサスペンス小説。



シドニー・シェルダン原作『恐怖のメッセージ』『新トワイライトゾーン』第1シーズンのエピソード)
 とある町で広がっているという伝染病について調べるため、派遣された調査員エドワード。あらゆる人間に感染するというその病は、人の正気を失わせるというのです。調査の結果、感染した人間が口にする、あるメッセージを耳にしたとたん、その人間の正気が失われることがわかりますが…。
 人間の正気を失わせる「恐怖のメッセージ」が描かれるのですが、そのメッセージの内容は全く描かれません。表面上、人から人へと、ただ狂気が伝染していくという演出が効果を上げています。



B000A2I7GW-less [レス] [DVD]
ジャン=バティスト・アンドレア
ハピネット・ピクチャーズ 2005-08-26

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ジャン=バティスト・アンドレア&ファブリス・カネパ監督『-less レス』(映画)
 クリスマス・イブの夜、車で毎年恒例の親戚のパーティーに向かうハリントン一家。今年に限って、近道をしようと人気のない森を抜けていくことになりますが、行っても行っても出口が見えてきません。
 突然、道ばたに赤ん坊を抱いた白いドレスの女が現れ、車はあわてて停車します。何を聞いても答えず、しかも怪我をしているらしい女を放っておくこともできず、車に同乗させることになります。携帯電話も通じないため、やがて古びた山小屋を発見した一家は、そこで電話を借りようとしますが、つながりません。
 突然、娘マリオンの恋人ブラッドが、謎の黒いクラシックカーで連れ去られてしまいます。あわてて追いかける一行ですが、やがて道ばたにブラッドの変わり果てた姿を見つけます。その後も、次々と家族がさらわれてしまうのですが…。
 車を止めるたびに次々と連れ去られる家族。いつまで経っても抜け出せない道。何度も現れる同じ標識。黒いクラシックカー。白いドレスの女。謎だらけの展開は、サスペンスたっぷりです。
 全編暗い夜のシーンで、しかも、車で走っているのがほとんどの映画なのですが、ツボを押さえた演出でまったく飽きさせません。殺人や死体の直接描写が全くないのも特徴的で、死体を見る家族の目線と表情だけで、それを表現しているのは非常に技巧的です。
 一応、結末は示されるのですが、結末までの味わいは、まさにリドル・ストーリーを思わせる映画です。


●解釈が複数可能な作品
 多様な解釈が入り乱れ、結末や真相が一つに絞れないように書かれている作品です。


4101025029地獄変・偸盗 (新潮文庫)
芥川 龍之介
新潮社 1968-11-19

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芥川龍之介『藪の中』『地獄変・偸盗』新潮文庫収録)
 夫婦が盗賊に襲われ、夫が死体となって発見されます。その事件を、夫、妻、盗賊、3通りの視点から描く物語です。
 それぞれの視点からの言い分が異なっており、誰が真実を言っているのか、わからなくなるという話。そもそも、誰も真実を語っていない可能性もあるのです。



B00H6XBHGKアウルクリーク橋の出来事/豹の眼 (光文社古典新訳文庫)
ビアス 小川 高義
光文社 2011-03-20

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アンブローズ・ビアス『月明かりの道』(小川高義訳『アウルクリーク橋の出来事/豹の眼』収録)
 女性が深夜に侵入者によって殺されたという事件を、息子、父親、母親(被害者本人の霊)のそれぞれ三者からの視点によって描く物語。
 芥川の『藪の中』の発想元と言われる作品ですが、ビアス作品では、『藪の中』ほどそれぞれの主張がぶつかり合うわけではありません。三者の認識の違いの面白さを楽しむ作品でしょうか。
 霊となった母親の視点からの描写がありますが、そこでは霊的世界から現実世界への接触を描いており、ゴースト・ストーリー的な側面が強くなっています。
 ただ、最後まで解かれない謎もあり、その意味で、リドル・ストーリーではありますね。



4334737161江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者 (光文社文庫)
江戸川 乱歩
光文社 2004-07-14

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江戸川乱歩『盗難』『屋根裏の散歩者』光文社文庫ほか収録)
 ある宗教施設の多額の寄付金が、警官を装った泥棒に盗まれてしまいます。後日、町中で泥棒らしき人物を見つけた施設の男は、泥棒から驚くべき真相を聞きだしますが…。
 単純な盗難事件に見えた事件が実は…。ひっくり返しが何度も起きるトリッキーな短篇です。ただ、それらのひっくり返しもすべて推測に過ぎず、真相は何種類も考え得る…という作品。



4150119198黒いカーニバル (ハヤカワ文庫SF)
レイ ブラッドベリ Ray Bradbury
早川書房 2013-09-05

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レイ・ブラッドベリ『青い壜』(伊藤典夫訳『黒いカーニバル』ハヤカワ文庫SF収録)
 滅んだ火星文明が残したと噂される「青い壜」。その壜を手に入れれば、あらゆる欲望がかなえられるといいます。二人の男は「青い壜」を探して、火星中の都市をめぐりますが…。
 人によって中身が異なって見える「青い壜」を描いた作品。「青い壜」を手に入れた人間たちが、中に何を見たのかは具体的には描かれません。



4334753108薔薇とハナムグリ シュルレアリスム・風刺短篇集 (光文社古典新訳文庫)
モラヴィア 関口 英子
光文社 2015-05-12

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アルベルト・モラヴィア『いまわのきわ』(関口英子訳『薔薇とハナムグリ シュルレアリスム・風刺短篇集』光文社古典新訳文庫収録)
 業界の権威である評論家は、臨終の床で告白を始めます。自らの希望だった分野で芽が出なかったため、仕方なく始めた評論で有名になったものの、才能を持った若者を見る度に憎しみを覚え、わざと才能のなさそうな分野への転身を勧めたというのです。しかし、実例として挙げた作家たちは、すでにその分野で名を上げているものばかりでした…。
 評論家の言葉は全くのデタラメなのか、それとも…? 作中で複数の解釈が示されますが、どの解釈を取るにしても「見る目がなかった」ということになってしまう、風刺的な短篇です。



4150703701火刑法廷[新訳版] (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジョン・ディクスン・カー 加賀山 卓朗
早川書房 2011-08-25

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ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』(加賀山卓朗訳 ハヤカワ・ミステリ文庫)
事件
 マーク・デスパードの伯父マイルズの死には毒殺の疑いが持たれていました。使用人の証言により、、マークの妻ルーシーに嫌疑がかかります。証言によると、女の毒殺者が部屋から消失したように見えたというのです。再調査を行うために遺体を確認しようとしますが、地下納骨室に葬ったはずの遺体は消えていました。
 一方、遺体発掘に立ち会ったエドワード・スティーヴンスは、流行作家のゴーダン・クロスの新作の原稿を受け取ります。その作品は、17世紀フランスの女性毒殺者を描いたもので、添えられていた毒殺魔の姿は妻のマリーにうり二つでした。マリーにもまた、毒殺の嫌疑がふりかかりますが…。
 本格ミステリとしての解決と、怪奇小説としての解決と、2つの解釈が可能な作品です。



4150110719ブルー・シャンペン (ハヤカワ文庫)
ジョン ヴァーリイ John Varley
早川書房 1994-09

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ジョン・ヴァーリィ『ブラックホールとロリポップ』(浅倉久志訳『ブルー・シャンペン』ハヤカワ文庫SF収録)
 ブラックホールを捕らえるために宇宙を旅している少女ザンジアは、あるとき奇妙な通信を受けます。それは意識を持ったブラックホールからの通話でした…。
 意識を持ったブラックホールとのコミュニケーションを描いた作品と思いきや、だんだんと不穏な展開になっていきます。このブラックホールが何やら悪魔的な「性格」で、ヒロインの精神がゆがんでいく…という作品。結末は二つの解釈から選べるようになっています。

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リドル・ストーリーと結末の定まらない物語 その1
 「リドル・ストーリー」とは、物語中に提示された謎に対して、明確な答えが与えられないまま終了するストーリーです。
 結末として登場人物が取るべき選択肢が複数提示されるもの(ストックトン『女か虎か』など)、物語上の謎の真相が隠されたまま終了を迎えるもの(モフェット『謎のカード』など)、作中の事実の解釈が複数存在するもの(芥川龍之介『藪の中』など)、物語そのものの解釈が謎につつまれているもの(デ・ラ・メア『なぞ』など)などがあります。


●二者択一型の作品
 選択肢が2つ提示され、どちらを取るか?というタイプの作品です。『女か虎か』を始め、リドル・ストーリーと言われて、思い浮かべるのはこのタイプの作品ではないでしょうか。


4480429050謎の物語 (ちくま文庫)
紀田 順一郎
筑摩書房 2012-02

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フランク・R・ストックトン『女か虎か』(紀田順一郎訳 紀田順一郎編『謎の物語』ちくま文庫収録)
 その王国では、絶大な権力を持つ王のもと、ある裁きが行われていました。それは闘技場で罪人に二つの扉のうち、どちらかを選ばせるというもの。
 片方には虎がおり、こちらの扉をあければ食い殺される。もう片方には美女がおり、こちらを開ければ、強制的にその娘と結婚させられるのです。
 王女と恋をした罪で罪人となった若者は、裁きにかけられることになりますが、王女はその権力を使用し、二つの扉のうち、どちらに虎がいるかを知ります。王女は若者に合図をしますが、実際に現れたのは女だったのか、虎だったのか?
 リドル・ストーリーの代名詞ともいうべき作品です。明確に2つの選択肢が示され、どちらも同じぐらいあり得る…と思わせる、優れた設定の作品です。
 ジャック・モフィットによる解決篇『女と虎と』(仁賀克雄訳 紀田順一郎編『謎の物語』ちくま文庫収録)などもあります。



フランク・R・ストックトン『三日月刀の督励官』(紀田順一郎訳 紀田順一郎編『謎の物語』ちくま文庫収録)
 若者が裁判にかけられてから1年ほどたって、遠い国から使者がやって来ます。裁判の結末を教えてほしいという使者に対し、役人はもう一つのエピソードを話し出します。
 ある国の王子が、王に対し、宮廷の侍女の誰か一人を花嫁にほしいと申し出ます。王は、王子に目隠しをしたうえで、侍女を進呈し結婚式をあげさせます。その後、花嫁を別の四十人の侍女と一緒にしてから、王子の目隠しを取り、自分の花嫁を連れ出しなさいと命令します。ただし、間違って他の女を連れ出そうとしたら、王子の命はないのです。
 四十人の侍女は同じような衣装をつけており、身動きをしてはいけないと王様に厳命されています。ただ、二人の侍女のみに、表情に変化が現れたのを王子は見て取ります。一人は微笑み、一人は眉を寄せています。王子が選んだのはどちらか? このエピソードの答えを当てられたら『女か虎か』の結末を教えようと言うのですが…?
 作者ストックトン自身による『女か虎か』の続編です。リドル・ストーリーの解答がリドル・ストーリーになっているという、なんとも人を喰った続編です。正編と同じく、女性はこういう場合、どんな反応を示すか? という設問になっており、どちらもあり得る…と考えられるところがにくい作品ですね。



マーク・トウェイン『恐ろしき、悲惨きわまる中世のロマンス』(大久保博訳 紀田順一郎編『謎の物語』ちくま文庫収録)
 大公である伯父の後継者になるために、女でありながら男のふりをさせられていたコンラート。戴冠する前に女であることがわかれば、法により死刑になってしまいます。
 伯父の娘コンスタンスは、ならずものに妊娠させられてしまいますが、国の法では結婚せずに子供を産んだ場合は死刑に処されてしまうのです。死を逃れるためには、子供の父親を身代りにするしかありません。コンスタンスは、父親はコンラートであると虚偽の告発をしますが…。
 告発を事実だと認めれば死刑、しかし疑いを晴らそうとするとこれまた死が待っている…という、究極の選択を描いた作品です。



O・ヘンリー『指貫きゲーム』(紀田順一郎訳 紀田順一郎編『謎の物語』ちくま文庫収録)
 名門の出である青年は、都会で事業に成功します。田舎の召使である老人は、青年に一族に伝わる品を渡そうと上京しますが、部屋に通されると、中にいたのは互いによく似た容貌の二人でした。青年は、共同経営者であり、容貌もよく似た同じ一族のいとこと、いたずらをしかけていたのです…。
 品を渡すべきはどちらの青年なのか? 微笑ましいユーモア小説です。



465220177X百万ポンド紙幣―マーク・トウェイン ショートセレクション (世界ショートセレクション)
マーク トウェイン ヨシタケ シンスケ
理論社 2017-02

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マーク・トウェイン『天国だったか? 地獄だったか?』(堀川志野舞訳『百万ポンド紙幣』理論社収録)
 二人の伯母は、嘘をこの上ない罪だと考える信心深い人間でした。しかし、愛する姪に対して、姪の娘が死んだと伝えられず、生きているかのように装った手紙を書き続けます。やがて姪は息を引き取りますが、直後に天使が現れ、彼女たちへ判決を囁きます…。
 人を助けるためについた嘘は罪なのか? 倫理的なテーマをはらんだリドル・ストーリー。



415071956X特別料理 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
スタンリイ エリン Stanley Ellin 田中 融二
早川書房 2015-05-08

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スタンリイ・エリン『決断の時』(田中融二訳『特別料理』ハヤカワ・ミステリ文庫収録)
 好人物ながら自信家の男ヒューは、隣に越してきた元奇術師のレイモンドと、事あるごとに反目します。どんな場所からも脱出できると豪語するレイモンドに対し、屋敷の地下室から1時間以内に脱出できたら自らが出て行こうと、ヒューは賭けを提案します。
 閉じ込められた部屋から、レイモンドの苦しそうな呻き声が聞こえ、周りの人間は、心臓が悪いと言っていたレイモンドの言葉を思い出しますが、ヒューはそれは嘘だと判断し、扉を開けさせまいとしますが…。
 奇術師は本当に病気なのか、それとも芝居なのか? 破滅を賭けた取引で男が取るべき行動は…?
 閉じ込められるのが、心理的なミスディレクションを多用する奇術師、という伏線が効いています。現代リドル・ストーリーの傑作。



448826302Xあなたならどうしますか? (創元推理文庫)
シャーロット アームストロング Charlotte Armstrong
東京創元社 1995-04

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シャーロット・アームストロング『あなたならどうしますか?』(白石朗訳『あなたならどうしますか?』創元推理文庫収録)
 憧れの男性が従姉と結婚することに、苦々しい思いを抱いていたヒロインは、街中で、ある男性を見かけ驚きます。その男性は、事故で死んだはずの従姉の夫だったのです。ヒロインはその事実を従姉に伝えますが、彼女は結婚を壊すための嘘だと、とりあってくれません…。
 憧れ、嫉妬、愛情…。主人公の女性の心の動きを丁寧に描写したうえで、結末を読者に選ばせるというサスペンス・ストーリー。読んだ後、語り合いたくなる作品ですね。



B00NSE0J3Iマイ国家(新潮文庫)
星 新一
新潮社 1976-06-01

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星新一『友情の杯』『マイ国家』新潮文庫収録)
 資産家である老人は、死期が近づいていましたが、最後の願いとして、若いころ友人からもらった酒が飲みたいと話します。
 遠い昔にもらった酒を今まで飲まなかった理由を聞かれ、彼は答えます。ライバルでもあった友人は、酒に毒を入れた可能性がある。それを確かめてしまったら、毒が入っているにせよ入っていないにせよ、友人との関係が壊れてしまう。それが怖くて確かめられなかったのだと…。
 友人は敵だったのか、それとも親友だったのか? 解釈は読者に委ねられています。



4151824014二壜の調味料 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ロード ダンセイニ 小林 晋
早川書房 2016-11-22

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ロード・ダンセイニ『ネザビー・ガーテンズの殺人』(小林晋訳『二壜の調味料』ハヤカワ・ミステリ文庫収録)
 友人のインカー氏の家を訪れた「私」は、たまたま彼の殺人現場を目撃してしまいます。口封じのために殺されると考えた「私」は、とっさに逃げ出しますが、インカーは後を追ってきます。薄暗い場所に隠れてほっとしたのもつかの間、インカーは警察を呼び、「私」に殺人の汚名を着せます…。
 手記の形で書かれた殺人事件の真相、しかしその真偽は定かではありません。いったいどちらが嘘をついているのか…? その判断は読者にまかされているのです。



4794927428誰でもない男の裁判 (晶文社ミステリ)
A・H・Z・カー 田中 融二
晶文社 2004-06-17

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A・H・Z・カー『ティモシー・マークルの選択』(田中融二訳『誰でもない男の裁判』晶文社収録)
 学内で新聞の編集長をしているティモシー・マークルは、新聞編集のスタッフとして、デニーを招きいれます。彼は、ティモシーの父親が勤務する会社の社長の息子でした。
 ある日、ティモシーは、親から近所に住む老人が車に轢かれて死んだという話を聞きます。ふとしたきっかけから、その事故はデニーがおこしたものではないかと思い当たったティモシーは、思い悩みます。彼が突き付けられた選択とは…?
 倫理的な判断を迫られる青年の悩みを描いた作品。自分の人生を左右する問題に対して、彼が取った決断とは…? 結末を読者にゆだねる、リドル・ストーリーの佳作です。



4043455038山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー (角川文庫)
山口 雅也
角川書店 2007-12

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ハル・エルスン『最後の答』(田中小実昌訳 山口雅也編『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』角川文庫収録)
 夜勤の男は、ビルに見慣れぬエレベーター係がいるのに気が付きますが、エレベーター係りは唐突に二択の質問をしてきます。冗談だと思い答えるものの、しつこく質問を続けるエレベーター係に対し、男は恐怖を抱きます…。
 質問に間違えると殺される、というサイコ・スリラー作品。相手が狂人だけに、二択のうち、どちらが正解なのかがわからないというのが読みどころです。



B00C2R9W44二十一の短篇 新訳版
グレアム グリーン 高橋 和久
早川書房 2013-03-29

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グレアム・グリーン『弁護側の言い分』(高橋和久訳『二十一の短篇』ハヤカワ文庫epi収録)
 殺人容疑で起訴された男は、ほぼ有罪が決定しているかに思われていました。殺人直後に被告を目撃した証人が何人もいたのです。しかし弁護側は、被告の双子の兄を呼び出し、目撃したのは被告なのか、それとも被告の兄なのか、確信が持てるのかと問いかけます…。
 明らかな殺人であるにもかかわらず、罪を逃れようとする弁護側の策略の結果は…? 皮肉な結末が待つリドル・ストーリー。



4882930846F氏の時計 (ふしぎ文学館)
佐野 洋
出版芸術社 1994-07

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佐野洋『金属音病事件』『F氏の時計』出版芸術社収録)
 知人が交通事故に遭ったという知らせを受けた「私」は、見舞いに病院を訪れますが、患者は頭の中で金属のような音がすると話します。それと同時に、見たものを瞬間的に覚えてしまうほどの驚異的な記憶力が身についていたのです。同じような「金属音病」患者が他にもいることを聞いた「私」は、同僚とともに、この症状について調べ始めますが…。
 SF的な素材を扱ったミステリ作品です。結末において、殺人犯と目される人物に対して放たれる仕掛けがユニーク。容疑者が本当に犯人なのか否かは、明確に示されません。

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4月の気になる新刊と3月の新刊補遺
3月25日刊 マネル・ロウレイロ『最後の乗客』(マグノリアブックス 予価957円)
3月28日刊 マリオ・レブレーロ『場所』(水声社 予価2376円)
4月4日刊 稲垣足穂『天体嗜好症 一千一秒物語』(河出文庫 予価1296円)
4月6日刊 山本弘著、尾之上浩司監修『世にも不思議な怪奇ドラマの世界「ミステリー・ゾーン」「世にも不思議な物語」研究読本』(洋泉社 予価1944円)
4月6日刊 ケン・リュウ『紙の動物園 ケン・リュウ短篇傑作集1』(ハヤカワ文庫SF 予価756円)
4月7日刊 マイケル・イネス『ソニア・ウェイワードの帰還』(論創社 予価2376円)
4月11日刊 江戸川乱歩『乱歩の変身 江戸川乱歩セレクション』(光文社文庫)
4月14日刊 いわむらかずお『うそみーるめがね』(復刊ドットコム 予価1998円)
4月18日刊 岡本健『ゾンビ学』(人文書院 予価3024円)
4月19日刊 皆川博子『辺境図書館』(講談社 予価1728円)
4月20日刊 図書の家編『少女マンガの宇宙 SF&ファンタジー1970-80年代』(立東舎 予価1944円)
4月20日刊 ウィリアム・ゴールディング『蠅の王 新訳版』(ハヤカワepi文庫 予価1188円)
4月20日刊 ハーラン・エリスン『ヒトラーの描いた薔薇』(ハヤカワ文庫SF 予価1080円)
4月20日刊 ケン・リュウ『母の記憶に』(新ハヤカワSFシリーズ 予価2376円)
4月20日刊 『SFの書き方「ゲンロン 大森望 SF創作講座2016-2017」全講義録』(早川書房 予価1728円)
4月27日刊 カート・ヴォネガット『人みな眠りて』(河出書房新社 予価2160円)
4月28日刊 中村融編『夜の夢見の川 12の奇妙な物語』(創元SF文庫 予価1058円)
4月28日刊 ロバート・シルヴァーバーグ『時間線をのぼろう 新訳版』(創元SF文庫 予価1080円)


 山本弘著、尾之上浩司監修『世にも不思議な怪奇ドラマの世界「ミステリー・ゾーン」「世にも不思議な物語」研究読本』は、タイトル通り《ミステリー・ゾーン》と《世にも不思議な物語》のガイドブック。
 DVDマガジンの『ミステリーゾーン』も完結し、研究書なりムックなりが欲しいなと思っていたところなので、ファンには嬉しい企画ですね。

 いろいろ話題になった、ケン・リュウの第一短篇集『紙の動物園』が分冊文庫化。第二短篇集の邦訳『母の記憶に』も出るようです。

 この間出た短篇傑作選が好評だった影響でしょうか、再度ハーラン・エリスンの短篇集『ヒトラーの描いた薔薇』が登場です。これは楽しみ。

 4月の新刊でいちばん気になるのはこれ、中村融編『夜の夢見の川 12の奇妙な物語』です。2015年に出た『街角の書店』の続編的アンソロジーのようです。ケイト・ウィルヘルム、ロバート・エイクマン、キット・リードの作品など、〈奇妙な味〉の12篇を収録。

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怪奇幻想読書倶楽部 第5回読書会 開催しました
 3月19日の日曜日、JR巣鴨駅前のカフェにて「怪奇幻想読書倶楽部 第5回読書会」を開催しました。出席者は、主催者を含め9名でした。
 テーマは、第1部「リドル・ストーリーと結末の定まらない物語」、第2部「ブックガイドの誘惑」です。参加してくださった方には、お礼を申し上げたいと思います。
 それでは、当日の会の詳細について、ご報告したいと思います。

 今回も、参加者全員のプロフィールをまとめた紹介チラシを作りました。チラシをPDFにしたものを、メールにて事前に配信しています。
 第1部、第2部ともに、オススメ作品などがあれば、タイトルを挙げてくださいとお願いしていました。それらの文章をまとめたものと、主催者が独自にまとめたリドル・ストーリー作品ガイドを資料として配布しました。

 プラスチック製ネームプレートを、参加者それぞれの前に立てたうえで、参加者を紹介しておきます。新規の方のみ主催者から紹介し、2回目以降の参加者には、軽く自己紹介をしてもらいました。

 リドル・ストーリーというテーマはちょっと難しいかなと思っていたのですが、意外に意見が出たのはよかったです。脱線話を含みつつ、全体的にはまとまりのある話になったのかなという気はしています。
 ブックガイドに関しては、やはりお好きな方が多く、お気に入りの本をいろいろ紹介してもらいました。個人的にも気になるブックガイドがあったので、探してみたいと思います。

 以下、順不同で話題になったトピックの一部を並べてみます。例によって、記憶に残っているものだけですが。

第1部
・リドル・ストーリーの定義について。
・フランク・R・ストックトン『女か虎か』について。非常によくできた作品だが、結末がわかってしまうと、凡庸な話になってしまうのではないか。結末を削ったからこその作品。
・『女か虎か』の続編について。 ジャック・モフィット『女も虎も』など。やはり解決編になってしまうと、魅力が薄れる。ストックトン自身による続編『三日月刀の督励官』は、謎をさらに謎かけで煙に巻くという作品だが、結末を書かないという点では、上手くできている。
・フェルディナント・フォン・シーラッハ『テロ』について。ハイジャックされた旅客機がスタジアムに突っ込む前に撃墜するという事件の物語。多人数を救うために少人数の犠牲は許されるのか?というテーマ。有罪と無罪の正反対の結末が並置されている。作者が弁護士であることも関係? 作品として作者の主張は出すべきとの意見もあり。ただ、シーラッハの短篇では、結末を明確にしない作品も多い。
・オムニバスドラマシリーズ『if もしも』と、そのノベライズ作品について。毎回、ドラマの途中で分岐点が発生し、2通りの選択肢を選んだ場合を交互に描くという作品。1990年代前半に放映されたシリーズで、趣向は面白いが、ドラマ自体は凡庸なものが多い。
・アーロン・フリッシュ作、ロベルト・インノチェンティ絵『ガール・イン・レッド』について。赤ずきんを現代を舞台に置き換えた絵本。ハッピーエンドとバッドエンドが並置される構成。バッドエンドの方は子供向けとは思えない残酷な結末になっている。
・マーク・トウェイン『恐ろしき、悲惨きわまる中世のロマンス』について。『女か虎か』同様の、二者択一型リドル・ストーリー。『女か虎か』では片方の選択肢は命が助かるが、トウェイン作品では、どちらを選んでも死が待っているという構成。『女か虎か』よりも強烈な作品だと思う。
・ある事情のために主人公が動けなくなる…というモチーフでは、ノエル・カレフ『死刑台のエレベーター』も似たテーマの作品だった。
・トウェインでは、『天国だったか? 地獄だったか?』という短篇もリドル・ストーリー形式の作品だった。死にゆく姪に対して善意の嘘をつき続けた伯母たちに罪はあるのか?という倫理的テーマの作品。この作品が収録された傑作集『百万ポンド紙幣』(理論社)も非常にいい作品集だった。
・クリーヴランド・モフェット『謎のカード』について。〈三大リドル・ストーリー〉のうち、これだけ毛色が違う。この作品をはじめて読んだときの印象は怪奇小説に近い。実際、作者自身による解決編では、オカルト要素の強い怪奇小説になっている。ただ、やはり解決編を読むと、拍子抜けしてしまうのも事実。
・ディーノ・ブッツァーティ『なにかが起こった』は、イメージ喚起力が強く秀逸な作品だと思う。紀田順一郎編『謎の物語』には、この作品がリドル・ストーリーとして入っているが、そうするとブッツァーティの多くの作品がリドル・ストーリーになってしまう?
・ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の映画『CUBE』も、謎が多くてリドル・ストーリーっぽい。続編ではいろいろ後付の種明かしがされてしまうのは残念。
・ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の短篇映画『エレヴェイテッド』は、怪物の姿を見せず、それを見た人々の反応だけで構成された異色の作品。何やらブッツァーティの作品を思わせる。
・ジャン= バティスト・アンドレア&ファブリス・カネパ監督の映画『-less レス』について。全編暗闇でスプラッターシーンもないが、終始サスペンスの途切れない面白い映画作品。謎を残したまま進む展開はリドル・ストーリー的。
・最近出た『別冊映画秘宝 謎の映画』の紹介。リドル・ストーリー的な作品の紹介かと思ったら、忘れられた作家や作品についての紹介記事が主だった。『サスペリア』の謎とか、夢オチ映画についてのエッセイは面白かった。
・ダリオ・アルジェントの映画作品について。ストーリーが破綻していてもやはり好きな人は好き。『インフェルノ』などは破綻しきっている話だが、面白い映画だと思う。
・アルジェント監督『サスペリアPART2』はミステリファンから非常に評価が高い。有名なトリックがあるが、本格ミステリ的な意図があったかは微妙。殺しの趣向なども、けれんに満ちているが、そこが面白い。人形はトラウマになりそう。
・ゾンビについて。ホラーの怪物の中でもマイナーなジャンルだったのに、ここ20年ぐらいで一気にメジャーになった感がある。ホラーアイコン化? オールドホラーファンとしては、走るゾンビは好きではない。最近のゾンビはウィルス感染型が主流? ゾンビのキャラクターを利用したコメディなどもあり。
・バリイ・ペロウン『穴のあいた記憶』について。すごい密室トリックを考え付いた作家がその記憶を失ってしまい、アイディアを話したはずの男を探す話。トリックそのものは示されないという、『謎のカード』型の作品。
・ペロウン作品に似ているのが、ロード・ダンセイニ『書かれざるスリラー』。こちらでも画期的な殺人方法を思いついた男が、それを使って殺人を行う。
・服部まゆみ『この闇と光』について。お伽話的な舞台がひっくり返る物語。チャールズ・ボーモントの『ロバータ』に似た印象。
・多重解決ミステリについて。アントニイ・バークリー『毒入りチョコレート事件』、コリン・デクスター、芦辺拓『異次元の館の殺人』など。推理が次々とひっくり返されるという構成の作品があるが、最終的な推理が魅力的かというとそうでもないことが多い。
・エリック・ブレス/J・マッキー・グラバー監督『バタフライ・エフェクト』について。ループもの作品だが、試行錯誤して事態を改善しても、別の面で事態が悪化していまうという作品。行き詰まり感がすごい。
・日本のミステリは叙述トリックがやたらと多い。日本独自の現象?
・リドル・ストーリーは長編では難しいと思うが、それに近いのが、クレイ・レイノルズ『消えた娘』。娘が行方不明になり数十年間も待ち続ける母親の物語。
・ウイリアム・アイリッシュ『死者との結婚』について。アイリッシュ(ウールリッチ)作品の中ではそんなに有名ではないが、非常にいい作品。
・ウイリアム・アイリッシュ『誰かが電話をかけている』について。事件が解決したと思ったら、結局解決していなかったというバッドエンド。サスペンスホラー映画『暗闇にベルが鳴る』も似たテーマの作品。
・スティーヴン・バーの短篇『目撃』について。
・ジョン・クラッセンの絵本『どこいったん』について。ひねりも効いていて面白い作品。
・アイリッシュ(ウールリッチ)作品の魅力について。サスペンスの原型的な作品を多く書いている。『裏窓』など。映画化作品やその影響下にある作品は多く、知らずに触れている人も多いのではないか。白亜書房から出た『コーネル・ウールリッチ傑作短篇集』(門野集編)は、いい企画だった。
・創元推理文庫の『アイリッシュ短編集』も、品切れの巻があるので、ぜひ復刊してほしい。
・紀田順一郎編『謎の物語』に入っている、ウォルター・デ・ラ・メアの『なぞ』は、魅力的な作品。ただ、この作品をリドル・ストーリーとしていることによって、リドル・ストーリーの適用作品が一気に広がっている感じがある。
・城昌幸『古い長持』は、長持に入った妻が消えてしまうという話だが、デ・ラ・メアの『なぞ』とそっくりな作品。影響関係があるのだろうか?
・ハーヴィー・ジェイコブズ『おもちゃ』は非常にいい作品。
・ホーソーン『牧師の黒のベール』について。黒いベールをかけつづけた牧師の話。宗教的な解釈ができるのだろうが、不気味さは比類がない。
・ホーソーン『ウェイクフィールド』について。妻のそばで隠れ住みつづける男の奇妙な物語。解釈が示されないので、いっそう不気味さが増す。
・スティーヴン・ミルハウザー『夜の姉妹団』について。秘密結社について、いろいろと情報が積み重ねられていくが、それゆえにますますわからなくなるという作品。同じ作品集に収録された『私たちの町の地下室の下』でも、謎めいた雰囲気が強い。
・ジャック・ケッチャム作品について。『隣の家の少女』『オフシーズン』など。精神的に「嫌な」物語。
・アルフレッド・ノイズ『深夜特急』について。子供の頃読むとトラウマになりそうな作品。
・子供のころから気になっているがタイトルが思い出せない作品について。周囲の人間が止まっていて、全く動かない…と思っていたら毎日少しずつ動いているのに気づく…という話は、広瀬正の『化石の街』? 別世界につながる扉の出てくる話は、マレイ・ラインスター作品っぽい。
・石川達三『神坂四郎の犯罪』について。真相は藪の中に終わるという作品。
・有吉佐和子『悪女について』について。主人公の人物像について、いろいろな人間からの印象が描かれるという作品。アンドリュウ・ガーヴ『ヒルダよ眠れ』に近い印象?
・パット・マガー『被害者を探せ』について。被害者を探すという趣向の作品。マガー作品は、どれも趣向が楽しい。
・赤瀬川原平の写真集『正体不明』について。撮った写真の中で、正確に分類できず「あいまいなもの」というグレーゾーン的な観点から集めた作品集。
・高木こずえの写真集『MID』について。作者によると、MIDとは生と死の中間とのこと。
・スワニスワフ・レム『捜査』について。ミステリの分野でも取り上げられる作品。不条理性が強い。
・アゴタ・クリストフ『悪童日記』三部作について。
・ポール・オースター『シティ・オブ・グラス』について。
・ジェイムズ・ホッグ『悪の誘惑』。信頼できない語り手の早い時代の実例。真相がぼやかされる。
・筒井康隆作品『熊ノ木本線』『三丁目が戦争です』などについて。
・『うる星やつら』、映画版『ビューティフル・ドリーマー』と、その原型的作品、テレビシリーズのエピソード『みじめ!愛とさすらいの母』について。テレビエピソードの方は、よく放映できたと思えるほど不条理性の強い作風だった。

第2部
・風間賢二『ホラー小説大全』と尾之上浩司編『ホラー・ガイドブック』は、この分野の定番的ブックガイド。
・荒俣宏『世界幻想作家事典』について。書誌的には足りないところが多いが、著者の評価の入った文章は読んでいて面白い。
・荒俣宏『空想文学千一夜』について。怪奇幻想系の評論を集めた本。この分野の道標的な本。
・ジャック・サリヴァン編『幻想文学大事典』について。狭い意味での怪奇小説だけに絞っている代わり、この分野の情報量はすごい。未訳の作品についての情報も多し。
・「幻想文学」編集部編『幻想文学1500 ブックガイド』について。国別・テーマ別にあらすじが載っていて、自分の興味のあるものを探せる。利便性の高いブックガイド。
・山本弘『トンデモ本? 違う、SF だ!』と、その続編『トンデモ本? 違う、SF だ!RETURNS』について。〈パラノイアSF〉など、ぶっとんだアイディアのSF作品についてまとめた面白い本。
・小鷹信光『〈新パパイラスの舟〉と21 の短篇』について。テーマ別に仮想のアンソロジーを作るという体裁で作られたブックガイド。ミステリのテーマだけでなく、SFやファンタジー的なテーマもあるのが楽しい。
・松村喜雄『怪盗対名探偵』について。フランスミステリのガイドブックだが、マルセル・シュオッブ、モーリル・ルヴェル、カミなど、異色の作家にも筆が割かれていて、面白い本。
・角川文庫のカルチャー探偵団の『○○の快楽シリーズ』について。何十冊も出たが、どれもそれぞれ面白かった。未訳の作品についてもガンガン取り上げる著者もあって意欲的だった。
・佐藤圭『100冊の徹夜本』について。定番作品でないものも含めて紹介してくれているのが貴重。アーヴィング・ウォーレス作品についてなど。
・文藝春秋編『東西ミステリーベスト100』について。オールタイムのミステリが取り上げられており、オーソドックスだがいいガイド。
・『別冊宝島63 ミステリーの友』について。いろいろな著者がエッセイの形で書いた文章を集めたもの。網羅的なものではないが、拾い読みするのが楽しい。
・霜井蒼『アガサ・クリスティー完全攻略』について。個人の作品でこれだけ網羅しているのはすごい。
・ジョン・ラフリー『別名S・S・ヴァン・ダイン ファイロ・ヴァンスを創造した男』について。ヴァン・ダインの伝記作品。
・フランシス・M・ネヴィンズJr.『コーネル・ウールリッチの生涯(上・下)』と『エラリー・クイーン 推理の芸術』について。伝記部分だけでなく、作品論も丁寧にされている労作。
・『映画秘宝EX 最強ミステリ映画決定戦』。選ばれている作品が偏っていたりするが、面白いガイド。
・『戦慄のホラー読本』について。モダンホラー系作品が多く取り上げられている。
・ジョン・カッツェンバック『旅行者』について。女子学生に記録係をさせる殺人鬼の話。
・都築響一『誰も買わない本は、誰かが買わなきゃならないんだ』について。あまり取り上げられない本ばかり取り上げた異色のガイドブック。
・『J'sミステリーズ King and Queen 海外作家編』について。ライターによって出来不出来があるのと、基本的な書誌データの間違いも見受けられるが、全体的に有用なガイドブック。折原一による偏愛作品リストは愉しい。
・吉野朔美の書評エッセイと映画評エッセイについて。必ずしも、取り上げている作品についての情報がはっきり書かれているわけではないが、エッセイとしては魅力的。
・阿刀田高『恐怖コレクション』について。恐怖の原風景に関するエッセイ集。異色作家作品も多く取り上げられており面白い。
・豊崎由美/岡野宏文『百年の誤読 海外文学編』について。10年毎に10冊の、時代を代表する名著について、思うままに語った本。読み逃していた「名作」に手を伸ばすきっかけになりそうな本。
・伊藤典夫編『SFベスト201』について。SFをかなり広義に解釈していて、ホラーやファンタジー方面も取り上げられている。歴史的な意義より、読んで面白い本中心に選ばれている感じがある。
・新しい世代の書評家というのは育っているのか? ホラー分野ではあまり思い当たらない。
・先鋭的な作風の作家も、ベストセラー作家になると、皆作風が変わってしまう。なぜか皆、最終的に時代小説に行ってしまう印象がある。
・クトゥルー神話の大衆化について。コミックやライトノベルには拡散している印象があるが、原典のラヴクラフトは読んでいる人が少ないのではないか。

二次会
・ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』について。カーの怪奇趣味は他作品にも見られるが、これに限ってはミステリ・怪奇小説どちらとも解釈できるようになっている。怪奇小説としても秀作。
・写真集について。森山大道、中平卓馬『決闘写真論』『なぜ、植物図鑑か』、サラ・ムーン、梅佳代など。
・村上春樹の最高傑作は『ノルウェイの森』?
・レイ・ブラッドベリ『すばらしき白服』について。SFではないが味のある作品だと思う。
・レイ・ブラッドベリ『火星年代記』について。年代記風につながれた連作短篇集。滅びゆく美しさがある。結末の情景も感動的。
・ブラッドベリのオススメは? 『火星年代記』『10月はたそがれの国』など。
・SF作品は名作とされていても、古びてしまって、現代ではつまらなくなっているものもある。ハインライン作品はその手の作品が多いように思える。
・SFの古典はアンソロジーなどで、名作短篇を一通り読むほうが良い。河出文庫の『20世紀SF』はその点オススメのアンソロジー。
・SFはサイバーパンクの登場あたりから一気にとっつきにくくなった感がある。1980年代はSF不毛の時代ではないか。
・SFベストに毎回、ハインライン『夏への扉』が出てくるのはどうかと思う。
・W・H・ホジスンは、主だった作品がほぼ訳出されてしまった。
・『怪奇小説傑作集』のうち、フランス編は読みにくい。これに限らず、フランス文学は他の国に比べて、とっつきにくいのは事実。肌に合うか合わないかだと思う。
・マルキ・ド・サド作品はわかりにくい。
・泡坂妻夫『しあわせの書』について。トリックと仕掛けはものすごい。労力はすごいと思うが、物語自体はそんなに面白くないのでは。
・江戸川乱歩作品では何が面白いか? 初期短篇、『陰獣』『孤島の鬼』『猟奇の果』など。
・稲垣足穂作品について。『弥勒』『ヰタマキニカリス』『一千一秒物語』など。ヴァリアントが多いのは、金銭的な目的?
・電子書籍で本を読むことについて。旅行先へ持っていくなどの利便性はともかく、本としての「味わい」が薄い。
・本の物理的側面について。本を読むとき、物理的な手触りや版面の印象も含めて記憶に残る。そうした記憶のインデックス的な側面が電子書籍にはないのではないか。
・本は背表紙が見える形で本棚に置くべき。
・本の「自炊」について。是か非か? 100円均一のベストセラーはともかく、マイナーなジャンルの本を壊すのは気分的に無理。


第6回読書会は、4月下旬に予定しています。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学



プロフィール

kazuou

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
記事の新旧に関わらず、コメント・トラックバックは歓迎しています。



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