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同人誌『海外ファンタジー小説ブックガイド2』刊行のお知らせ
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 2022年4月ごろに刊行した、海外のファンタジー小説のレビューをまとめた同人誌『海外ファンタジー小説ブックガイド1』、その続刊である『海外ファンタジー小説ブックガイド2』を刊行いたします。
 前巻同様、大まかにテーマを分けて作品を分類しています。狭義のファンタジー小説だけでなく、SFやホラー、文学といった隣接ジャンルとの境界作品なども併せて紹介しています。
 本巻では、「闇のメルヘン」として、怪奇・ホラー味の濃い作品、「ジョーン・エイキンのおかしな世界」では、ファンタジーの大家ジョーン・エイキンの作品をまとめて紹介しています。
 本の完成は、9月上旬から中旬を予定しています。

通信販売は、以下のお店で扱っていただく予定です。

書肆盛林堂さん
CAVA BOOKS(サヴァ・ブックス)さん
享楽堂さん

※CAVA BOOKS(サヴァ・ブックス)さんに関しては、刊行前に事前に予約を受け付けています。
※書肆盛林堂さん、享楽堂さんに関しては、印刷完了後の販売となります。

仕様は以下の通りです。

『海外ファンタジー小説ブックガイド2』
サイズ:A5
製本仕様:無線綴じ
本文ページ数:252ページ(表紙除く)
表紙印刷:カラー
本文印刷:モノクロ
表紙用紙:アートポスト200K
本文用紙:書籍72.5K(クリーム)
表紙PP加工あり


内容は以下の通り。

まえがき

変身の物語
ハンス・ファラダ『田園幻想譚』
ロバート・ストールマン『孤児』
ロバート・ストールマン『虜囚』
ロバート・ストールマン『野獣』
ピーター・ディッキンソン『エヴァが目ざめるとき』
シオドア・スタージョン『人間以上』
シオドア・スタージョン『夢みる宝石』
ウォルター・テヴィス『地球に落ちて来た男』
ロバート・ウェストール『弟の戦争』
フィリップ・プルマン『ぼく、ネズミだったの!』
フランシス・ハーディング『ガラスの顔』

人生の不思議
マルセル・エイメ『壁抜け男』
イタロ・カルヴィーノ『マルコヴァルドさんの四季』
ヨアヒム・リンゲルナッツ『動物園の麒麟』
ティルデ・ミヒェルス『レムラインさんの超能力』
ロバート・ネイサン『川をくだる旅』
エドワード・ケアリー『アルヴァとイルヴァ』
ロイス・ダンカン『とざされた時間のかなた』
イサベル・アジェンデ『精霊たちの家』
ラインハルト・ユング『おはなしは気球にのって』
エドワード・ケアリー『飢渇の人』
マット・ヘイグ『ミッドナイト・ライブラリー』
エミリー・ロッダ『彼の名はウォルター』

自然と動物たち
W・デ・ラ・メア『魔女の箒』
オラシオ・キローガ『南米ジャングル童話集』
ジョン・コリア『モンキー・ワイフ』
アリソン・アトリー『氷の花たば』
アリソン・アトリー『西風のくれた鍵』
マリー・ルイーゼ・カシュニッツ『精霊たちの庭』
D・ブッツァーティ『シチリアを征服したクマ王国の物語』
ユリヨ・コッコ『羽根をなくした妖精』
ポール・ギャリコ『トマシーナ』
ポール・ギャリコ『トンデモネズミ大活躍』
ロイド・アリグザンダー『人間になりたがった猫』
ロバート・ネイサン『タピオラの冒険』
フィリパ・ピアス『まぼろしの小さい犬』
アンドレ・アレクシス『十五匹の犬』

異界の物語
ウイリアム・モリス『世界のかなたの森』
ウイリアム・モリス『サンダリング・フラッド』
ウイリアム・モリス『輝く平原の物語』
ピエール・ルイス『ポーゾール王の冒険』
アレクサンドル・グリーン『波の上を駆ける女』
アレクサンドル・グリーン『黄金の鎖』
アレクサンドル・グリーン『深紅の帆』
レイ・ブラッドベリ『火星年代記』
ジェーン・ギャスケル『奇妙な悪魔』
アンリ・ボスコ『ズボンをはいたロバ』
マリア・グリーペ『忘れ川をこえた子どもたち』
タデウシュ・コンヴィッキ『ぼくはだれだ』
テリー・ビッスン『世界の果てまで何マイル』
J・ティプトリー・Jr『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』
ショーニン・マグワイア『不思議の国の少女たち』
ショーニン・マグワイア『トランクの中に行った双子』
ショーニン・マグワイア『砂糖の空から落ちてきた少女』
スザンナ・クラーク『ピラネージ』

神話を超えて
I・ブルリッチ=マジュラニッチ『昔々の昔から』
オーブリ・ビアズレー『美神の館』
ケネス・ウォーカー『箱船の航海日誌』
ペネローピ・ファーマー『イヴの物語』
ロジャー・ゼラズニイ『光の王』
タニス・リー『タマスターラー』
アラン・ガーナー『ふくろう模様の皿』
ピーター・S・ビーグル『風のガリアード』
アンドルス・キヴィラフク『蛇の言葉を話した男』

幻獣の物語
ピーター・S・ビーグル『完全版 最後のユニコーン』
ピーター・S・ビーグル『ユニコーン・ソナタ』
R・A・マカヴォイ『黒龍とお茶を』
タニス・リー『ゴルゴン 幻獣夜話』
ジョー・ウォルトン『アゴールニンズ』
メガン・シェパード『ブライアーヒルの秘密の馬』

啓示と奇跡
セルマ・ラーゲルレーフ『幻の馬車』
A・ブラックウッド『ポール伯父の参入』
バラージュ・ベーラ『ほんとうの空色』
カレル・チャペック『絶対子工場』
ディーノ・ブッツァーティ『モレル谷の奇蹟』
ロナルド・ファーバンク『オデット』
ポール・ギャリコ『スノーグース』
ポール・ギャリコ『雪のひとひら』
デイヴィッド・グレゴリー『ミステリー・ディナー』
ヨアブ・ブルーム『偶然仕掛け人』
A・カウフマン『奇妙という名の五人兄妹』
パヴェル・ブリッチ『夜な夜な天使は舞い降りる』
A・F・ハロルド『ぼくが消えないうちに』

都会の幻想
ジャック・フィニイ『夢の10セント銀貨』
ジャック・フィニイ『夜の冒険者たち』
ロバート・ネイサン『夢の国をゆく帆船』
ジェフリー・フォード『シャルビューク夫人の肖像』
A・カウフマン『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』

闇のメルヘン
タニス・リー『冬物語』
タニス・リー『悪魔の薔薇』
タニス・リー『血のごとく赤く 幻想童話集』
メレディス・アン・ピアス『ダークエンジェル』
エマ・テナント『まぼろしの少年リック』
フィリパ・ピアス『幽霊を見た10の話』
フィリパ・ピアス『こわがってるのはだれ?』
クリス・プリーストリー『モンタギューおじさんの怖い話』
クリス・プリーストリー『船乗りサッカレーの怖い話』
クリス・プリーストリー『トンネルに消えた女の怖い話』
クリス・プリーストリー『ホートン・ミア館の怖い話』
スーザン・プライス『24の怖い話』
ナタリー・バビット『悪魔の物語』
ナタリー・バビット『もう一つの悪魔の物語』
ロバート・ウェストール『ゴーストアビー』

ジョーン・エイキンのおかしな世界
ジョーン・エイキン『月のケーキ』
ジョーン・エイキン『月のしかえし』
ジョーン・エイキン『夜八時を過ぎたら…』
ジョーン・エイキン『ぬすまれた夢』
ジョーン・エイキン『魔法のアイロン』
ジョーン・エイキン『しずくの首飾り』
ジョーン・エイキン『ふしぎな八つのおとぎばなし』
ジョーン・エイキン『心の宝箱にしまう15のファンタジー』
ジョーン・エイキン『おとなりさんは魔女』
ジョーン・エイキン『ねむれなければ木にのぼれ』
ジョーン・エイキン『ゾウになった赤ちゃん』
ジョーン・エイケン『台所の戦士たち』
ジョーン・エイケン『海の王国』

アンソロジーの愉しみ
神宮輝夫編『銀色の時 イギリスファンタジー童話傑作選』
神宮輝夫編『夏至の魔法 イギリスファンタジー童話傑作選』
『ミステリアス・クリスマス』
『ミステリアス・クリスマス2』
西周成編訳『ロシアのおとぎ話』
受け継がれる愛  ロディ・ドイル『さよならのドライブ』
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 アイルランドの作家ロディ・ドイルの長篇『さよならのドライブ』(こだまともこ訳、こがしわかおり絵 フレーベル館 )は、若くして亡くなった曾祖母の幽霊と出会った三世代の女性たちが、家族との絆を再確認するという、静かなゴースト・ストーリーです。

 祖母エマーが体調を崩し入院していることに加え、親友だったエイヴァが引っ越してしまい、やるせない思いを抱えていた12歳の少女メアリーは、家の近くのトチノキが立ち並ぶ坂道で女の人と出会います。彼女はタンジー、本名はアナステイジアと名乗りますが、その服装や言い回しは妙に古風でした。タンジーは、入院しているエマーにだいじょうぶだと伝えてほしいと、メアリーに頼みます。
 母親のスカーレットにそのことを話したところ、メアリーの曾祖母、祖母エマーの母親の名前はタンジーだといいます。タンジーは、エマーが幼い頃に亡くなってしまったというのです。
 スカーレットと共にメアリーは、タンジーに会いますが、彼女はやはりエマーの母親タンジーの幽霊だと言います。娘エマーのことが気がかりで現世に残っているというタンジーは、エマーに会わせて欲しいと頼みますが…。

 かって祖母エマーが幼い頃に亡くなってしまった曾祖母タンジーの幽霊が、娘エマーが死を迎えるにあたって現れるというゴースト・ストーリーです。
 メアリーの祖母エマーは体調を崩して入院していましたが、その死は遠からず来ることが分かっていました。そんな折、メアリーはエマーの母親であり若くして亡くなったタンジーの幽霊と出会うことになります。
 タンジーはエマーに会わなければならないと言い、メアリーとその母スカーレットは、彼女をエマーのもとへ連れていくことになります。

 メインの物語は、現在のメアリーの視点に置かれていますが、合間にタンジー、エマー、スカーレットの人生の物語が挟まれることになります。彼女たちが家族や母親に対してどんな思いを抱いていたのか、そして彼ら自身が親になった際、子どもたちにどんな影響を与えたのか、が描かれていきます。
 愛する夫と子どもを置いて死なねばならなかったタンジー、母を亡くし淋しい思いをしながらも、父と祖母の愛情を受けて育ったエマー、高齢出産であった母に複雑な思いを抱いていたスカーレット…。娘として愛情を受けた当人が、また自分の娘に愛情を注いでいく…という、愛情の連鎖が描かれます。
 それは幼くして母を失ったエマーも例外ではなく、わずかな母との思い出が、彼女の人生に重要な重みを与えていくことになるのです。

 メアリーを含め、四代にわたる女性たちの人生が描かれていき、後半では幽霊であるタンジーを含め、四世代の女性たちが一堂に会することになります。
 そこで語られるのは、死んでも愛情は消えずに引き継がれていくということ。死を前にしたエマーも母親と再会し、それを受け入れることになります。深夜に行われる娘と母親たちの「さよならのドライブ」のシーンは非常に美しく、感動がありますね。
 幽霊が登場しながらも、そこに描かれるのは、死んでしまったことや実現できなかったことに対する諦観や後悔ではありません。賛成題の女性たちが過ごしてきた人生の輝きと家族に対する愛情、メアリーがこれから過ごすであろう人生への希望が描かれていきます。まだ見ぬ子孫を含めて、家族と愛情は受け継がれていく、というポジティブな視線が貫かれており、非常に味わい深い作品となっています。
 また、タンジーとスカーレット、エマーとメアリー、それぞれの祖母と孫の容姿が似ている、というのも、一族のつながりを感じさせて良いですね。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

死後の恋  ティオフィル・ゴーチェ『スピリット』
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 E・T・A・ホフマンの影響を強く受け、幻想小説を多く書いたフランスの作家ティオフィル・ゴーチェ(1811-1872)の長篇『スピリット』(田辺貞之助訳 沖積舎)は、死後に精霊となった少女と生者の青年との恋愛を描く、神秘的な恋愛幻想小説です。

 家柄も良く資産もある美青年ギ・ド・マリヴェールは、若く美しい未亡人ダンベルクール夫人の家に足?く出入りしていることから、二人の結婚は間近いと周囲からは思われていました。夫人がマリヴェールを熱愛する一方、マリヴェールの方は夫人のみならず、本当に愛せる女性を未だ見つけられず、結婚の意志は全くありませんでした。
 マリヴェールは、スウェーデンの外交官であり、スウェーデンボルグの信奉者である神秘主義者フェロー男爵と知り合い、彼から薫陶を受けることになります。
 ある日、マリヴェールは、自宅の鏡の中に美しい娘の顔を目撃し、一目ぼれしてしまいます。さらに外でも彼女の姿を目撃しますが、常識では考えられない形で彼女は姿を消してしまいます。娘がマリヴェールを愛しているスピリット(精霊)ではないかと考えたマリヴェールは、自動書記を行うことにします。紙に書かれ始めたのは、生前マリヴェールを慕いながらも、彼に認められず命を落とした娘の生涯でした…。

 独身者の美青年マリヴェールが、彼の周囲に現れたスピリット(精霊)の少女に恋をすることになる…という恋愛幻想小説です。少女はどうやら生前マリヴェールに恋していたものの、彼と結局知り合うことができず、命を落としたようなのです。死後訪れたその少女の姿に魅了されたマリヴェールは、彼女と結ばれたいと願います。
 基本は恋愛小説といっていいでしょうか。死後の存在との恋愛が主題であるだけに、そこにはいろいろな障害が待ち構えています。まず相手の少女が死後の世界にいるために、現世では彼女の姿が茫洋としており、触ることもできないのです。
 死ねば少女のいる世界に行けると考えたマリヴェールは自殺を考えますが、自殺をしてしまうと同じ世界には来ることができないと少女に止められてしまいます。飽くまで「正常な死」を迎えなければなりません。また、現世ではダンベルクール夫人から結婚を迫られており、それを断り続けるのも一苦労なのです。
 恋するスピリットと一緒になるためには死後の世界に行かなくてはならないのですが、そこにすんなりとは行けず、しばらくは生の世界で暮らさなければならないのです。マリヴェールは「どう生きるのか?」という問題を抱えることにもなります。

 生者と死者の恋愛がテーマとなった作品ですが、ヒロインであるスピリットに人間味が強いこともあり、そこには肉体的な要素が大きく出ていますね。半ば天使のようになっているだけに肉体的な恋にこだわらないスピリットに対し、マリヴェールの方は彼女に触れたいという要望も持っているのです。
 死によって隔てられた恋人たちが、恋愛を成就できるのか? という不思議なテーマの幻想小説です。そこに、神秘的な恋愛ならではの様々な葛藤が登場し、それを乗り越えていく過程が読みどころでしょうか。

 本作『スピリット』はゴーチェ最後の幻想小説と言われているそうです。ゴーチェは、若い頃から多くの短篇で、死者やこの世ならざる者との恋愛をテーマにした作品を書いていますが、本作はまさにそうしたテーマの集大成、という感じの作品となっていますね。スピリットの描かれ方も可憐で、その女性像にも非常に魅力があります。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

海と陸の恋  アレクサンドル・ベリャーエフ『両棲人間』
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 アレクサンドル・ベリャーエフの長篇『両棲人間』(細江ひろみ訳 このごろ堂書房)は、海でも陸でも生きられる「両棲人間」をめぐる、SF幻想冒険小説です。

 真珠を扱う商人のズリタは、海を荒らしているという「海の悪魔」を目撃します。「海の悪魔」が意思の疎通が可能な生物であることを知ったズリタは、彼を捕らえて、自らの商売に利用しようと考えていました。ズリタは、腹心の部下であるインディオのバルタザールと共に、ある作戦を考えます。
 一方、科学者サルバトール博士は、貧しいインディオたちの病気やけがを治してやることで、彼らから敬われていました。博士に孫娘の命を救ってもらったことで恩義を感じた老インディオ、クリストは、博士に仕えることを決心します。
 クリストが博士の住まいで見たのは、見たこともない不思議な動物たちでした…。

 陸でも海でも生きられる「両棲人間」をめぐる作品です。「海の悪魔」の存在を知った悪徳商人のズリタが、その生き物を捕らえて利用しようと考えます。「海の悪魔」が「両棲人間」の青年であることは序盤で判明するのですが、彼がズリタの魔の手から逃れられるのか?というのがメインのストーリー。
 そこに青年の数奇な生まれによる家族関係や、青年が恋した娘を挟んだ恋愛関係などが絡んで、複雑な物語となっていきます。とくに恋愛部分に関しては、ヒロインをめぐって、青年とズリタ、そしてヒロインを援助していた男性の存在も明らかになり、四角関係的な状態となり、こちらの展開も興味深いですね。

 詳細はなかなか明かされないのではありますが、天才科学者サルバトール博士が登場し、彼が生物をいろいろ改造していることが明らかになった時点で、「両棲人間」の正体もほぼ予想がつく形にはなっています。
 「両棲人間」の身体的な特性が描写されるシーンは非常に面白いですね。水の中に適応したがゆえに、長時間の陸上生活には困難を感じるようになったり、その一方恋人と過ごすためには陸にいなければいけないなど、「陸」と「海」どちらに生きるべきなのか? という選択も描かれていくことになります。
 また後半では、「両棲人間」を含め、人間や動物の「改造」が許されるのか? といった倫理的・宗教的なモチーフも登場し、ちょっとした哲学風味もありますね。
 娯楽作品としても面白い作品ですが、科学的・哲学的な思索も登場するなど、知的な刺激もある作品となっています。

 こちらの『両棲人間』、Amazonのペーパーバックで購入できます。翻訳も読みやすいのでお勧めです。
 https://www.amazon.co.jp/dp/B09LGN94LF

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

おせっかいたち  松尾由美『おせっかい』
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 松尾由美の長篇『おせっかい』(新潮文庫)は、「おせっかい」の中年男性が、女流作家の連載ミステリ小説の中に入り込んでしまう…というファンタスティックなミステリ作品です。

 四十六歳のサラリーマン古内繁は、愛妻に先立たれ、会社では出世コースから外れるなど孤独な生活を送っていました。しかし、不当な出来事を見て見ぬ振りができないという性格で、部下からは慕われていました。
 勤務中の事故で入院することになった繁は、部下の柳靖広と日比野茜の見舞いを受けます。彼らは会社の対応に憤って退職したというのです。二人が見舞いとして持ってきた雑誌「推理世界」を手に取った繁は、その雑誌に載っていた橘香織によるミステリー小説「おせっかい」の連載一回目をふと読み、それに夢中になります。「おせっかい」は女性ばかりを狙い、親切をしてあげた直後に、その相手を殺害する連続殺人犯を扱った作品でした。
 小説を読んだ繁は、「おせっかい」の主人公である女刑事、郡上光の扱いが不当なのではないかという不満を覚えます。小説のことを考えているうちに、繁はたびたび小説「おせっかい」の中に入り込んでしまうことになります。
 一方、小説を執筆中の作家橘香織は、自分の見知らぬ人物が何時の間にか小説に入り込んでいることに気付き驚いていました…。

 作家、橘香織の書いている連載小説「おせっかい」の中に、中年サラリーマン古内繁が入り込んでしまい、現実と虚構が混濁していく…というファンタスティックな小説なのですが、そこにそれぞれの登場人物の過去とトラウマが絡んで、さらに複雑な様相を呈していく、という作品です。
 主人公(?)古内繁は、不当なことが許せない人物で、ふと読んだ小説「おせっかい」の主人公である郡上光の扱いが不当なのではないかと考えます。繁の元部下であり彼を慕う二人、柳靖広、日比野茜は、小説内に入り込んだという繁の話を信用し、彼に協力するため、作家自身や編集者に接近することになります。
 メインテーマとなる小説「おせっかい」が連載中であるというところがポイントで、繁や柳たちの行動で、「おせっかい」の展開も変わっていくことになる、というのが面白いですね。現実世界での柳たちの物理的な行動はもちろん、それらによって心理的に圧迫をかけられた作家側の橘香織の執筆方向も変わってくるのです。
 更に香織が、かっての夫に対して恨みに近い感情を持っており、小説にちょっかいをかけてくるのが元夫の指金ではないかと思い込んでしまい、それが騒動に拍車を駆けることになります。

 小説「おせっかい」に登場する殺人犯がおせっかいであるのと同様、古内繁や柳靖広を始め、多くの登場人物が「おせっかい」な行動をした結果、事件が思いもかけない方向に転がっていきます。登場人物たちの行動は本当に読めなくて、どういう方向に行くのか全く予想がつかない面白さがありますね。
 繁が小説内に入り込んでしまう際の描写も興味深いです。主人公やその周囲の人物とその他大勢のキャラの存在感の違いを目の前で目撃することになります。また、作家側の香織からすると、繁が小説内に入り込んだ異物のように感じられたりするのです。香織が繁の顔を想像の中で覗き込むシーンは、とても生彩がありますね。
 香織の中で、小説内の殺人犯=以前の夫=繁 の図式が出来上がっていき、それらの存在が一体化してゆく、というのもメタフィクショナルで面白いところです。

 作家が小説を書く話であるとか、現実と虚構が入り混じっていく…という話は他にもありますが、本作ほど「変な話」は読んだことがありません。傑作かというと微妙なのですが、一読に値する作品ではないかと思います。


テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

争いの始まるとき  ジョージ・ソーンダーズ『短くて恐ろしいフィルの時代』
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 ジョージ・ソーンダーズ『短くて恐ろしいフィルの時代』(河出文庫)は、架空の小国をめぐって展開される、ブラックなおとぎ話です。

 あまりに小さすぎるため、国民が一度に一人しか住めない内ホーナー国と、それを取り囲む巨大な外ホーナー国。ある日、外ホーナー国の住人である中年男性フィルは、個人的な恨みから内ホーナー国の人間が領内を侵犯していると言い出し、彼らから税を徴収することを提案します。
 フィルの演説に熱狂した外ホーナー国の人間は、彼をリーダーとして内ホーナー国人を弾圧し始めます。やがてフィルの権力は大きくなっていきますが…。

 巨大な隣国に侵略・弾圧される小国の様子を、おとぎ話の体裁で描くという作品です。多分に政治的なお話なのですが、物語の設定や登場人物の抽象度が極限まで上がっているため、寓話的な作品となっています。
 国民が数人しか入れないという内ホーナー国の設定も相当ですが、登場人物たちも、いわゆる人間ではなく、物や部品のパーツがくっついて出来たような生物として造形されています。
 フィルの命令によって、彼らが「解体」(処刑)されるシーンもあり、体の部分が外されていくという流れはシュールでありながらも恐怖感が感じられますね。
 フィルが内ホーナー国に対して行う行為は、最初は個人的な逆恨みからなのですが、権力欲から、やがては混乱し、自分でもそれが止められなくなってしまうのです。途中からフィルを止めようとする周囲の人物も現れますが、一度起こってしまった流れに反することはできない…というのは、非常に現実的でリアルですね。
 フィルはいわゆる「独裁者」なのですが、ときどきラックに固定されている脳がずり落ち、そうすると演説が情熱的になる一方、精神的におかしくなっていく…という、現実の独裁者を皮肉ったかのような設定がされています。個人レベルの「逆恨み」「こじつけ」が戦争や弾圧につながってしまう、というあたり、皮肉な意味を込めて描いているのでしょうが、現実にもそれがあり得る、と考えさせるリアルさがあります。
 フィルという個人に問題があったにせよ、社会を営む人間(この場合厳密には違う生物ですが)自体に、問題を引き起こす性質が潜んでいるのではないか…とする結末部分の指摘もなかなかに辛辣です。
 2005年に発表された作品で、当時のアメリカの政治状況を受けて書かれた面は確かにあるようですが、そうした具体的なところを超えて、「人間同士の争い」に関する本質的なところが描かれています。寓話的ファンタジーとして秀作だと思います。


テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

恐るべき介護  三浦晴海の長篇『屍介護』
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 三浦晴海の長篇『屍介護』(角川ホラー文庫)は、山奥の屋敷で奇怪な患者の介護をすることになった介護士の恐怖を描くホラー作品です。

 看護師として勤めていた病院を辞めた栗谷茜は、給与の良さに惹かれて、介護を業務とする【訪問介護ひだまり】という会社の面接を受けることになります。働く場所が山奥の屋敷で住み込みであること、スマホの電波も通じない場所であることを聞いて驚きますが、思い切って再就職することになります。
 屋敷の中で寝たきりになっているという若い女性、妃倭子が介護する患者でしたが、彼女の様子を見て茜は驚きます。肌は変色し、言葉を話すことも動くこともありません。頭には黒い袋がかぶせられ、中を覗いてはいけないというのです。
 屋敷には、先輩介護士である引田と熊川という、茜とそう年齢の違わない女性二人がいましたが、二人に訊ねても詳しいことは教えてもらえません。特に熊川は茜に対して冷たい態度を取っていました…。

 介護士となった女性が山奥の屋敷で、奇怪な患者の介護をすることなり、恐ろしい体験をすることになる、という異色の介護ホラー作品です。
 介護対象の妃倭子は動くことも話すこともないばかりか、何をしてもほとんど反応がない状態で、まるで死人としか思えませんでした。そのような重症患者をなぜ病院で治療しないのかという質問にも、まともに答えてもらえず、推測ともつかぬ理由を教えられます。
 食事や入浴など、妃倭子に関するあらゆる行為が不自然であり、茜は彼女とその病気の正体に疑問を抱くことになります。先輩である引田と熊川にたびたび質問をしますが、引田にははぐらかされ、熊川には冷たくはねつけられてしまうのです。
 患者の正体はどうあれ、その扱いに不当なものを感じた茜は、その改善に力を注ごうとしますが、茜の行為がますますおかしな方向に事態を導いてしまうのです。

 介護対象の患者がほとんど死人にしか見えず、患者は何の病気なのか、本当は死んでいるのか? なぜ山奥で隠すように暮らしているのか? 介護会社は何を隠しているのか? など、何も分からない状態で進む前半はハラハラドキドキ感がたっぷりです。
 主人公である茜は正義感と責任感の強い人物で、患者の状態の改善をしようと奮闘し、その正体についても調べようとしますが、更に恐ろしい秘密を知ることになるのです。
 死体にしか見えない患者、というところで「ゾンビ」テーマ作品を思い浮かべるのですが、想像を上回る展開で驚かされてしまいます。途中からは伝奇的なテーマも登場し、予想外に壮大なスケールのお話になっています。また「親子愛」や「友情」なども隠し味として登場し、物語に味わいを添えていますね。
 タイトル通り「介護」がメインテーマとなった作品ではありますが、こんな話になると予想できる人はそうそういないんじゃないでしょうか。異色のホラー作品です。


テーマ:怪談/ホラー - ジャンル:小説・文学

聖者の現実  マルセル・エーメ『クレランバール』
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 フランスの作家マルセル・エーメの戯曲『クレランバール』(原千代海訳 白水社)は、吝嗇で利己的な没落貴族が聖者の奇跡の影響で改心し、息子の縁談話をかき回す、というコメディ作品です。

 財産もほとんどない、没落貴族のエクトール・ド・クレランバール伯爵は、吝嗇で利己的な男でした。家を維持するために、妻や息子、義母まで、家族を総出で働かせていました。
 そこに司祭によって、息子のオクターヴに代訴人ギャリュションの長女との見合い話が持ち込まれます。不器量ではあるものの、資産家であるギャリュション家の娘との結婚をオクターヴは受け入れようとします。
 司祭が連れてきていた犬を、クレランバールはうるさいからという理由で殺してしまいます。その直後、彼のもとに突然修道士が現れ、一冊の本を置いていきます。
 本は「アシジの聖者フランシス伝」という本でした。修道士の姿はクレランバールにしか見えず、しかも自分が殺したはずの犬が生きていることに気付き、クレランバールは驚愕します。
 奇跡を目撃したと信じるクレランバールは急に心を入れ替え、信心深くなってしまいます。さらに、オクターヴの結婚相手を娼婦のラ・ラングゥストにすると言い出します。オクターヴ自身も以前からラ・ラングゥストに思いを寄せていたこともあり、父親の意見に従おうとしますが…。

 吝嗇で利己的、攻撃的な男クレランバールが、奇跡を目撃したことをきっかけに信心深くなり、騒動を巻き起こす、というコメディ作品です。
 息子オクターヴの結婚問題が主にクローズアップされていくことになります。宗教的な信念(卑しい人間こそ神に近い。)からクレランバールは年増の娼婦ラ・ラングゥストを選ぶのですが、オクターヴの方は以前から彼女に思いを寄せていたため、これ幸いとその話に乗り気になっていきます。さらにラ・ラングゥスト自体も結婚話に対して満更でもない態度を取ることになります。
 一方、クレランバールの妻ルイーズの方は現実的で、財産家であるギャリュション家の娘との結婚を前提に交渉を進め、多額の持参金まで約束させていました。
 オクターヴは財産のためにギャリュション家の娘と結婚するのか、ラ・ラングゥストへの愛を貫くのか? といったところも読みどころなのですが、後半ではさらに思いもかけない展開になり、驚かされてしまいます。

 改心したクレランバール以外の登場人物が皆、したたかな「俗物」で、それぞれが自分の利益のために動きます。そこを一見「聖人然」としたクレランバールがかき回すことになるのですが、このクレランラバール自体も本当に「善人」になったかというと怪しいところも面白いです。
 「改心」後も、その性格が強引であるところは変わらず、妻に対してもひどい言葉を投げかけたり、一方的に物事を進めようとするところは変わりません。
 「アシジの聖者フランシス伝」に影響されたものか、突然動物愛護にうるさくなり、家に現れた蜘蛛をやたらと大事にする始末。

 登場人物たちが揃いも揃って自分のことばかり考え、それを隠そうともしないところに逆に爽快感すら感じられるのですが、その中では、ラ・ラングゥストのキャラクターは異彩を放っています。娼婦であるだけに肉体的には放埒ながら、オクターヴの愛情を素直に受け入れたりと、包容力と、ある種の純真さも示されます。その率直さから好感度も高く、オクターヴとの恋愛が成就することを応援したくなってしまいます。
 一方、オクターヴも純真な青年かと思いきや、後半ではその「だらしなさ」が示されたりと、ラ・ラングゥストに比べると、その優柔不断さが目立つ形になっていますね。

 クレランバールが目撃した「奇跡」は本当にあったのか? その「奇跡」は彼にとってどんな意味を持っていたのか? というあたりも興味深いテーマとなっています。様々な読み取り方ができる、面白い劇作品です。


テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

8月の気になる新刊と7月の新刊補遺
7月31日刊 フレデリック・ダール『夜のエレベーター』(長島良三訳 扶桑社ミステリー 予価968円)
8月3日刊 ベン・H・ウィンタース『その少年は語れない』(上野元美訳 ハヤカワ・ミステリ 予価2750円)
8月9日刊 ロナルド・ファーバンク『足に敷かれた花』(仮題)(浦出卓郎訳 彩流社 予価2750円)
8月10日刊 須永朝彦『王朝奇談集』(ちくま学芸文庫 予価1100円)
8月12日刊 大下宇陀児『偽悪病患者』(創元推理文庫 予価924円)
8月12日刊 リリー・ブルックス=ダルトン『世界の終わりの天文台』(佐田千織訳 創元SF文庫 予価1100円)
8月12日刊 パメラ・ブランチ『ようこそウェストエンドの悲喜劇へ』(大下英津子訳 論創社 予価3740円)
8月12日刊 カレル・チャペック『マクロプロスの処方箋』(阿部賢一訳 岩波文庫 予価660円)
8月17日刊 エラリイ・クイーン『ダブル・ダブル 新訳版』(越前敏弥訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1540円)
8月17日刊 ルマーン・アラム『終わらない週末』(高山真由美訳 早川書房 予価2860円)
8月19日刊 眉村卓『仕事ください』(日下三蔵編 竹書房文庫 予価1430円)
8月23日刊 ボリス・ヴィアン『北京の秋』(野崎歓訳 河出書房新社 予価2970円)
8月23日刊 井上靖『殺意 サスペンス小説集』(中公文庫 予価946円)
8月24日刊 ピーター・スワンソン『時計仕掛けの恋人』(棚橋志行訳 ハーパーBOOKS 予価990円)
8月25日刊 エマ・ストーネクス『光を灯す男たち』(小川高義訳 新潮社 予価2640円)
8月26日刊 ウォルター・デ・ラ・メア『アーモンドの木』(和爾桃子訳 白水Uブックス 予価1980円)
8月26日刊 ニコール・クラウス『フォレスト・ダーク』(広瀬恭子訳 白水社 予価3960円)
8月26日刊 ロジェ・カイヨワ『石が書く』(創元社 予価4620円)
8月29日刊 『ユリイカ9月号 特集=Jホラーの現在』(青土社 予価1650円)
8月31日刊 『幻想と怪奇11 ウィアード・ヒーローズ 冒険者、魔界を行く』(新紀元社 予価2420円)
8月31日刊 イーライ・ブラウン『シナモンとガンパウダー』(三角和代訳 創元推理文庫 予価1320円)
8月31日刊 東雅夫編『日本鬼文学名作選』(創元推理文庫 予価1100円)

 『足に敷かれた花』(仮題)は、20世紀前半に活躍したイギリスの作家ロナルド・ファーバンクによる作品。代表作「足に敷かれた花」と「見かけ倒しのお姫さま」を収録とのこと。
 「足に敷かれた花」、紹介文を引用しておきます。「架空の王国ピスエルガに仕えるラウラ・デ・ナジアンジは疲倦宮(つかれうみのみや)ユーセフ親王と恋仲だった。宮中ではさまざまな悪謀が渦巻き、ゴシップが囁かれる。そこにユーセフとエルジー姫の結婚の話が持ち上がってくる。同時にユーセフの女ったらしぶりも明らかとなり、ラウラは遊ばれていただけであることがはっきりする。裏切られたと感じたローラは、宮廷から身を引き、修道院へ向かうことになるが……。」

 カレル・チャペック『マクロプロスの処方箋』は、不老不死をテーマとした戯曲。名作だと思うので未読の方はぜひ。

 ルマーン・アラム『終わらない週末』は、あらすじからすると、超自然的な要素ありの作品でしょうか。「 NY近郊の別荘を借りて休暇を過ごす4人家族。休みを楽しんでいたのに、別荘の持ち主という夫婦が現れ、中に入れて欲しいと懇願される。やがて起こる奇妙な現象の数々。世界では、何かが起こっている――? 外界と遮断された6人が、生き残るすべを探し始める。 」

 『仕事ください』は、眉村卓の傑作短篇集。ベスト選集のような本でしょうか。

 『アーモンドの木』は、イギリスの詩人・作家デ・ラ・メアの傑作選集。「アーモンドの木」「伯爵の求婚」「ミス・デュヴィーン 」「シートンの伯母さん」「ルーシー」他、全7篇を収録とのこと。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学



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kazuou

Author:kazuou
男性。本好き、短篇好き、異色作家好き、怪奇小説好き。
ブログでは主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。twitterアカウントは@kimyonasekaiです。
怪奇幻想小説専門の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。twitter上の怪奇幻想ジャンルのファンクラブ「 #日本怪奇幻想読者クラブ 」主宰。
『ミステリーズ!vol.96』(東京創元社)に怪奇小説の翻訳概況を書きました。
同人誌『海外怪奇幻想小説アンソロジーガイド』『物語をめぐる物語ブックガイド』『迷宮と建築幻想ブックガイド』『イーディス・ネズビット・ブックガイド』『夢と眠りの物語ブックガイド』『夢と眠りの物語ブックガイド 増補版』『奇妙な味の物語ブックガイド』『海外怪奇幻想小説ブックガイド1・2』『謎の物語ブックガイド』を刊行。「海外怪奇幻想作家マトリクス・クリアファイル」も作成しました。



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